日本CTO協会が4年ぶりにDX基準をアップデート
一般社団法人日本CTO協会は、2025年6月に公開予定の新しいDX Criteria (v202506)を発表しました。本アップデートは、デジタル化やソフトウェア活用に向けたガイドラインとして、企業におけるビジネス変革を支援することを目的としています。特に今回は「超高速な仮説検証のための生成AI活用」に焦点を当て、先進的な取り組みを進める企業の実例をもとにしたヒアリングレポートも合わせて公開されました。
アップデートの背景と目的
昨今の技術革新、特に生成AIの急速な発展は、企業を取り巻くビジネス環境に大きな影響を与えています。競争が激化し、ビジネスの予測が困難な状況の中、企業は持続的な成長と新たな価値生成のためにデジタル変革を進めることが不可欠です。その一方で、多くの企業がDX推進の際に直面する具体的な課題や進むべき方向性を見出すことに難しさを感じています。
この背景を踏まえ、日本CTO協会はDX Criteriaのアップデートを行い、以下のような目的を設定しました。
1.
新たな課題への対応
生成AIをはじめとした新しい技術の登場により、従来の基準だけでは捉えきれない課題が浮上しています。したがって、最新の技術トレンドに基づき、企業が直面する新たな挑戦に対応できるよう改編を行いました。
2.
実践的な適用性の向上
現場での利用を想定し、各項目の具体性と抽象性のバランスを見直しました。具体すぎる表現は汎用性を持たせ、抽象的な項目は具体的にすることで、企業が自社の状況に合わせて柔軟に運用できる基準を構築しています。
3.
誤解を招く表現の修正
過去の基準において誤解されやすい表現を見直し、分かりやすく明確な表現に改善しました。これにより、利用者はDX Criteriaをスムーズに理解でき、その活用が促進されることを狙っています。
アップデートの詳細
DX Criteriaのアップデートでは、重複する項目の見直しや新しい視点の導入が行われました。また、具体的すぎる項目を抽象化し、逆に抽象度の高すぎる項目を具体化することで、全体的な整合性を高めています。これにより、企業がデジタル変革を実効的に進めるために役立つ、より実践的なガイドラインとしています。
生成AI活用ヒアリングレポート
また、生成AI活用に関するヒアリングレポートも併せて公開されました。このレポートでは、先進企業における生成AIの導入状況や、業務効率化や創造性の向上、開発プロセスの変革などを具体例とともに紹介しています。
レポートの主な項目
- - 経営の関与
- - 業務効率化と創造性向上
- - 開発プロセスの変革
- - 生成AIのサービス組み込み
- - 導入の効果・課題と今後の展望
なお、今回のレポート作成には以下の企業が協力しました。
- - 株式会社Algomatic
- - GMOペパボ株式会社
- - 合同会社DMM.com
- - ファインディ株式会社
- - 株式会社MIXI
- - 株式会社リンクアンドモチベーション
- - 株式会社LayerX
- - 株式会社ログラス
今後の展望
日本CTO協会は、DX Kriterienが企業のデジタル変革を成功裏に進めるための指針として機能するよう、継続的な改善に努めていきます。また、生成AIの活用に関する取り組みはまだ始まったばかりですが、それに対する関心は高まっています。今後も新たな価値創造を支援する活動を展開していく方針です。
【関連リンク】
DX Criteria最新情報
生成AI活用ヒアリングレポート
一般社団法人日本CTO協会について
日本CTO協会は2019年9月に設立され、技術の進化を通じて社会の変革を目指しています。DX推進をサポートする基準を策定し、実務に役立つ情報を提供することで、日本を技術力の高い国にすることを目指しています。