FRONTEOと糖鎖工学研究所によるAI創薬の実証実験
株式会社FRONTEOと糖鎖工学研究所との協業が新たな創薬の可能性を切り開こうとしています。この二つの企業は、FRONTEOが開発したAI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory(DDAIF)」を使用し、糖鎖技術を基盤とした新たな標的分子や適応症の探索を行う実証実験(PoC)を開始しました。
背景にある技術の強み
FRONTEOは、特許を取得したAI「KIBIT」を活用し、医療研究の分野において、従来の学術文献に見られない疾患と標的分子との関連性を見出すための革新を起こしています。AI技術による自然言語処理は、疾患のメカニズム解析や新規の標的分子候補を効率的に探し出すことを可能にし、その精度と速さに定評があります。これにより、医薬品開発に貢献する仮説も立てやすくなるのです。
一方、糖鎖工学研究所は、大塚化学から独立した企業で、糖鎖に関する設計・合成の専門知識を持っています。彼らは、高純度でuniformな糖鎖を提供することで、バイオ医薬品の研究やペプチド医薬品の開発に取り組んでいます。糖鎖技術は、薬剤特性の改善や新たな治療法の創出を目指すプロセスにおいて重要な役割を果たします。
具体的なPoCの内容
今回の実証実験では、糖鎖工学研究所が手がける「糖鎖修飾ソマトスタチン(開発コード:GT-02037)」に焦点が当たります。この化合物は、既存のソマトスタチンの欠点を改善した次世代医薬品です。本実験の目標は、DDAIFを使用して、既存の文献には見られない新たな治療候補を発見することにあります。両社が持つ技術と知見を結集することで、糖鎖技術を面白く評価し、新たな医薬品や治療法の創出を目指します。
糖鎖の重要性
糖鎖は、複数の単糖が結合した分子で、細胞間の認識や情報伝達に関わっています。特に最近では、糖鎖が医薬品に付加されることで、体内安全性や効果持続性の向上が期待されています。糖鎖の機能による医薬品の改良は注目が集まっており、研究の進展が期待されます。
各企業のコメント
糖鎖工学研究所の社長である朝井洋明氏は、「ソマトスタチンへ糖鎖を付加した新たな創薬に期待が寄せられています。GT-02037は臨床試験でも良い成績を示しており、FRONTEOとの協力により、未充足の医療ニーズに応える新たな治療法が開発されることを望んでいます」と述べています。
FRONTEOのCSOである豊柴博義氏も、「糖鎖研究とAI技術の融合により、医薬品開発のさらなる可能性を広げることができると信じています」と期待を寄せています。
未来に向けたビジョン
両社はこの実証実験を通じて、医薬品開発の新たな道を切り開くとともに、未充足医療ニーズの解消を目指しています。現在の医療にとって、革新的な技術やアプローチが求められる中、このFRONTEOと糖鎖工学研究所との協業が、次世代医療の到来を加速させるでしょう。AIと糖鎖技術の結合は、医療ビジネスの未来を明るく照らす一歩となり得るのです。