株式会社サポーターズの調査に基づき、2026年卒業予定のエンジニア学生が選ぶ人気企業ランキングの結果が発表されました。この調査は国内最大規模のエンジニア学生のデータベースを誇るサポーターズによって行われ、223件の回答が集まりました。学生たちは希望の企業に順位を付け、それに基づいてランキングが作成されました。
調査結果をまとめると、1位にはLINEヤフー株式会社が選ばれました。昨年4位だった同社が急上昇した理由には、2023年10月に行われたヤフー株式会社とLINE株式会社の再編から、学生の認知度が高まったことが挙げられます。上位にはメガベンチャーや大手SIer、ITコンサルティング企業が多く見られ、特にインターネット業界やスタートアップに人気が集まっています。
さらに、ハイクラスエンジニア学生に限定した調査では、インターネット業界の企業がより高く評価される傾向が見られました。従来のSIerやコンサル企業の一部は順位を下げる結果となり、最近設立されたスタートアップも台頭しています。なぜこのような変化が起きたのか、学生の志望理由からその背景を探ってみましょう。
調査対象となる学生からは、LINEヤフーが提供するサマーインターンシップが充実している点が評価されています。特に、実際の開発現場での体験や多様なプログラムが学生にとって魅力的に映ったようです。インターンを通じた評価のコメントは特に多く、学生たちはインターンシップで企業の雰囲気を理解し、志望度を高めていることが伺えます。
また、志望理由に挙げられたキーワードの中からは、「成長」「環境」「雰囲気」「働き方」といった要素が際立っています。スタートアップ企業がランキングに入る理由も、成長に繋がる環境が魅力的だからだと思われます。このように、学生たちは単なる待遇だけでなく、成長できる環境が求められていることを示唆しています。
一方、日本国内でIT人材の多くがIT産業に集中している問題も浮き彫りになりました。現在、IT人材の約70%以上がIT関連の企業に就職しているため、その他の分野でのエンジニア不足が顕在化しています。この状況は、DX推進の観点から見ると大きな課題です。IT産業における待遇や成長機会が求められる中で、他産業においても同様の環境を整えることが急務と言えるでしょう。
今回の調査結果は、エンジニア学生の就職活動に関する今後の動向を見守る上で非常に重要なデータとなっています。学生たちが求める企業の条件は、成長しやすい環境であり、インターンシップを通じた実体験がその志望度へと影響を与えることが明らかになりました。これからのエンジニア人材に対して企業がどうアプローチできるかが、競争力のある人材確保に繋がるでしょう。