日野市が進める公共交通のデジタル改革
東京都日野市では、公共交通の持続可能性のために、デジタル技術を駆使した新たな取り組みを進めています。このたび、市内の連絡バスである「ミニバス」の運行状況を詳細に把握するために、デジタルサービス「MANALYZE」を導入しました。これにより、日野市は交通需要の変化に即応することを目指しています。
ミニバスの重要性と課題
日野市では、1986年から「ミニバス」を運行し、住宅地や公共施設を結ぶ重要な交通手段として地域住民に利用されています。しかし、少子高齢化や人口減少の影響により、ミニバスの利用状況は変化しています。地域住民の日常生活で欠かせないインフラである一方、その利用実態を的確に把握することが急務となっています。
市はこれまでICカードシステムを導入し、ICカード利用者のデータを把握していましたが、現金やシルバーパスを使用する高齢者の利用状況は正確に把握できていませんでした。このため、全ての乗客の乗降データを正確に収集する必要がありました。
MANALYZEの導入と効果
日野市は、乗降者自動収集システムと運行情報可視化サービス「MANALYZE」を導入しました。このシステムは、乗降センサーと送信車載装置を用いて乗降者データを精密に収集し、翌日にはデータのダウンロードが可能です。これにより、運行状況をリアルタイムで把握できるようになりました。
「MANALYZE」導入前は、調査員が一週間のうちにバスに同乗し、手作業で乗降者数をカウントしていました。この方法では季節や曜日による変動を正確に捉えることができず、また調査員を長期間雇用することも難しい状況でした。
導入後は、運行毎に詳細な乗降データを把握でき、効率的にデータ収集が行えるようになりました。少子高齢化社会における地域公共交通の見直しは全国的な課題となっており、「MANALYZE」はデータに基づいた客観的な解析をサポートするツールとして機能しています。
今後の展望
日野市は「MANALYZE」導入を通じて現在の利用状況を把握し、さらなる利用促進を図る考えです。また、乗降データを元に、公共交通の利便性向上に向けた施策を積極的に展開する予定です。今後は、このデジタル技術を活用し、交通の可視化を進めることで地域住民の利便性とバスの利用率向上に寄与していくことが期待されます。
日野市の取り組みは、全国の類似地域にとっても参考になる事例です。公共交通の未来を見据えたこのプロジェクトが、地域社会にどのような影響をもたらすか、引き続き注目していきたいと思います。
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