新しい形の遊具「SAPIENCE」が第19回キッズデザイン賞を受賞
株式会社ジャクエツと東京大学名誉教授の佐々木正人氏が率いる研究チームが、総合遊具「SAPIENCE」に関するアフォーダンス研究を進め、その成果が第19回キッズデザイン賞を受賞しました。この賞は、子どもたちの安全で安心できる環境づくりを目指す優れた取り組みを顕彰するものです。
「SAPIENCE」とは
「SAPIENCE(サピエンス)」は、踊り場がなく、特定の遊び方に限定されないデザインが特徴です。この遊具は異年齢の子どもたちが一緒に遊ぶことを可能にし、彼らの自由な発想から生まれる遊びの創造を促します。具体的には、決まった出入り口のない螺旋状の構造を持ち、揺れるネットを利用して様々な遊び方ができるようになっています。これにより、子どもたちのコミュニケーションや協力も自然に促進されるのです。
アフォーダンス研究の重要性
研究調査は2016年から始まり、保育士や教育関係者の協力を得て進行しています。特に「SAPIENCE」においては、子どもたちが予想以上に多様な遊びを発見する様子が観察されました。生態心理学の専門家チームは、アフォーダンス理論を用いて、この遊具が持つ可能性を分析しました。
「SAPIENCE」では、即興的な遊びが次々と生まれ、子どもたちは自身の創造性を存分に発揮しています。これが、子どもの成長を支えるための新たな遊び環境デザインへとつながることが期待されます。
調査の成果
調査が行われた設置園では、多くの子どもたちが空間を即興的に探索し、自ら遊びを発明する姿が見られました。観察記録や映像分析によって、身体運動、社会的相互作用、創造性が豊かに引き出される様子も確認されています。これにより、今後の園庭設計にも応用が期待されているのです。
キッズデザイン賞の意義
キッズデザイン賞は、子どもの未来を明るくするために設立され、多くの企業や団体が参加しています。この賞は、子どもたちが安全で安心して暮らせる環境の整備を目指すもので、今後も子育てや教育に関わる様々な取り組みを応援するものです。これを通じて、子どもたちの感性や創造性の豊かさを育む社会を築くことが求められています。
株式会社ジャクエツについて
ジャクエツは1916年に設立され、「未来はあそびの中に。」をスローガンに掲げています。遊具の設計や施工だけでなく、地域社会や施設の課題解決に向けたことを目的に多角的な視点で事業を展開しています。また、近年ではあそびの視点を生かしたまちづくりにも取り組み、質の高いあそびの環境を通じて子どもたちの成長を支え続けています。
このように、「SAPIENCE」は子どもたちに新しい遊びの発見を促し、自由な環境での成長を支える重要な役割を果たしています。今後もこの遊具がどのように進化し続けるのか、非常に楽しみです。