産業廃棄物処理業界におけるAIの新たな挑戦
株式会社Ribura(本社東京都渋谷区、代表取締役社長:伊藤 竜聖)と株式会社クリーンテックサーマルホールディングス(本社東京都新宿区、代表取締役社長:反後 太郎)が、産業廃棄物処理業界向けの見積もり予測AIの共同開発を開始しました。このプロジェクトは、業務の効率化と判断精度の向上を目指し、AI技術を活用するものです。
現状の課題
産業廃棄物処理業界、特に中間処理事業においては、処理可否の判断や見積もり作成に多くの時間を要することが人手不足や専門知識の要求を生んでいます。クリーンテックサーマルでは、見積もり業務に一日平均2時間を割いており、担当者の経験に依存した属人的プロセスが存在しました。
このため、同じ顧客に対して異なる見積もり金額が提示されることが多く、業務の透明性や信頼性が問われていました。Riburaは、こうした課題に対処するため、クリーンテックサーマルと共同で見積もり予測AIのPoC(概念実証)に取り組んできました。
革新をもたらす4つのAI機能
このプロジェクトでは、以下の4つのAI機能の開発・検証を行います。
1.
回収・処理可否判断機能:品目名と回収量に基づき、自動で処理可否を判断します。
2.
見積もり算出機能:品目名、数量、単価を入力することで、自動的に見積書を作成し、業務の自動化を実現します。
3.
単価算出機能:品目名と工場コメントに基づき、最適な単価を算出します。
4.
品目特定機能:SDS情報を用いて品目を特定し、分類することで、誤認や確認作業を自動化します。
これにより、見積もり作成の時間を大幅に短縮し、データドリブンな一貫性のある見積もり提示が可能となります。顧客の信頼性も向上し、業界全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を促進します。
業界の声
クリーンテックサーマルの情報システム部部長、荘司氏は「長年、見積もり業務における現場への負担を感じていた」と語り、Riburaとの共同開発に期待を寄せています。彼は、今後のPoCを通じて現場の声を反映しながら実用的なAIを開発し、業務効率の向上と顧客満足度の向上に貢献できると考えています。
一方、Riburaの伊藤社長は、「業務フローを徹底的に分析し、誰でも使いやすいAIを目指す」と強調。豊田高専発のスタートアップとしての技術力を駆使して、産業廃棄物処理業界のDX加速に取り組むことに意気込みを見せています。
企業概要
株式会社クリーンテックサーマルホールディングスは、1981年に創業された企業で、「ともに生きる」という理念のもと、地域環境を考慮した適正処理とリサイクルの推進に注力しています。医療廃棄物の不法投棄問題を背景に事業をスタートさせ、現在では一貫して廃棄物処理を行っている
企業です。
また、
株式会社Riburaは、AIなどの最新技術を駆使した支援を提供するスタートアップで、デジタルトランスフォーメーション(DX)ソリューションとプログラミング教育を展開しています。両社の提携により、業界の課題解決だけでなく、循環型社会の実現を見据えた取り組みが期待されています。