東京建物グループ、ビルオフィス共用部トイレに生理用品無償設置へ - 女性の働きやすい環境整備を推進
東京建物グループ3社は、全国のビルオフィスフロア共用部トイレに生理用品を無償設置することを発表しました。これは、女性の急な生理への不安軽減や心理的安全性向上を目指し、労働生産性の向上に貢献する取り組みとして注目されています。
背景と目的
日本では、女性特有の健康課題による経済損失が年間約3.4兆円に上ると試算されています。一方で、多くの女性が健康や体に関する十分な支援がないと感じている現状があります。
東京建物グループは、2021年から首都圏のオフィスビルで共用部トイレへの生理用品設置の実証実験やテナント向けのDE&Iセミナーを実施してきました。その結果、トイレへの生理用品設置が女性ワーカーの急な生理への不安を軽減し、心理的安全性や労働生産性の向上に寄与することが明らかになったのです。
具体的な取り組み
東京建物グループは、全国のビルオフィスフロア共用部トイレに生理用品を無償設置するだけでなく、わたしの暮らし研究所と協同でDE&Iセミナーを実施するなど、女性が長く健康に働ける職場環境の整備を目指しています。
今回の取り組みは、大学施設や商業施設等と比べて遅れていたオフィスビルにおける生理用品設置の取り組みとして、大きな一歩となるでしょう。
従業員の反応
2024年3月に実施されたアンケートによると、生理経験のある方の98.2%が「働く環境のトイレに生理用品が設置されることで心理的安全性が高まる」と回答しました。また、生理経験のない方の88.6%もトイレへの生理用品設置に肯定的な回答をしています。
今後の展開
2024年6月現在、東京建物八重洲ビルをはじめとする6物件で設置が完了しており、7月1日以降には首都圏の4物件で設置が開始される予定です。今後、地方の物件にも順次拡大していく予定で、第三者と共同所有している物件や管理のみを受託している物件についても、ビル所有者の賛同があれば設置を進めるとしています。
さらに、東京建物が開発する物流施設「T-LOGI」シリーズの一部物件でも設置を予定しており、オフィスビル以外のアセットについても幅広い展開を検討していくとのことです。
社会への影響
東京建物グループの取り組みは、女性の生理に関する課題解決に向けた社会全体の意識改革を促進する可能性を秘めています。生理用品の設置は、女性が安心して仕事に集中できる環境づくりだけでなく、企業の競争力強化にもつながる取り組みと言えるでしょう。
わたしの暮らし研究所について
わたしの暮らし研究所は、生理用品を使いたい時に使える社会設備を整えたいという想いから、生理用品設置をきっかけにしたコミュニケーションデザイン事業「LAQDAプロジェクト」をスタートさせました。2019年からオフィストイレへの生理用品設置について調査研究を行っており、DE&I啓発活動にも力を入れています。
まとめ
東京建物グループの取り組みは、女性の働きやすい環境づくりに向けた大きな一歩となるでしょう。生理用品の無償設置は、女性の生理に関する課題解決に貢献し、社会全体で女性の活躍を促進していくために重要な取り組みです。