東京都の再生可能エネルギー導入プロジェクト
東京都は2050年までに二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにすることを目指し、その一環として再生可能エネルギーの利用促進に取り組んでいます。具体的には、2020年における再エネ電力の利用割合を約15%、2030年には約30%まで引き上げる方針です。この目的を達成するための施策の一つが、「みんなでいっしょに自然の電気」キャンペーンです。このキャンペーンは、都民が共同で再生可能エネルギーの電力を購入することを推奨するものです。
共同購入によるメリット
アイチューザーは、東京都のこの取り組みにおいて重要な役割を果たしています。同社の藤井俊嗣代表取締役社長は、「東京都が『ゼロエミッション東京戦略』を発表し、当社のグループ購入がその実現に寄与することを嬉しく思います」と述べています。アイチューザーは、このプロジェクトを通じて家庭単位での再生可能エネルギーの利用拡大を図っています。
共同購入の仕組みは、参加者が集まることで電力会社からの割引を受けられるというものです。これにより、電気代の削減が期待できるだけでなく、環境保護にも寄与することができます。実際、4人家族の場合、年間で約1万円の電気代節約が見込まれています。
海外での実績
アイチューザーは2008年に設立され、これまでにオランダやベルギー、英国、米国などで150以上の地方自治体と提携し、220万世帯に電力の共同切り替えを導入してきました。このような経験をもとに、日本国内でも再生可能エネルギーの普及に取り組んでいます。特に、神奈川県との協定のもとで行った太陽光パネルの共同購入事業は、一般市場価格の最大26%安の価格で実施され、住民にとっての負担を軽減する好例となっています。
事業のスケジュール
「みんなでいっしょに自然の電気」キャンペーンの具体的なスケジュールも発表されています。以下に簡単にまとめます。
- - 12月3日:切り替え希望者が専用ウェブサイトから参加登録開始
- - 1月21日:参加登録の締め切り
- - 2月上旬:アイチューザーから落札料金メニューの見積もりが提示される
- - 3月10日まで:登録者は契約切り替えを判断
登録は無料で、見積もりを受け取った後でも切り替えをしないことも可能です。参加者が集まることで電力の購買力が向上し、より割安な再生可能エネルギーの電力が提供される仕組みです。
今後の展望
アイチューザーは今後、東京を起点にさらなる地域への事業拡大を計画しています。すでに昨年11月には大阪府吹田市とも提携し、さらなる電力切り替えプロジェクトを進めています。これからも、自治体と連携して再生可能エネルギーの普及を促進し、地域ごとに新しい環境施策を展開していくことでしょう。
アイチューザーの取り組みは、参加する自治体やその住民にとっても大きなメリットをもたらすと期待されています。持続可能な社会の実現に向けて、私たちもこのプロジェクトに参加することで貢献できるかもしれません。