薬局の人手不足解消に向けたAI導入の大きな一歩

近年、薬局業界では人手不足の問題が深刻化しており、特に調剤薬局では多様な業務に対応する必要が生じています。そこで、株式会社MG-DXが提供する「薬急便遠隔接客AIアシスタント（エーアシ）」が、東京を拠点に展開しているなの花薬局に導入されることになりました。

このサービスは、2025年5月26日からとなり、荻窪北口店、馬込駅前店、鶴川大通り店、メトロファーマシー日本橋小伝馬町店の4店舗で実施されます。AIを活用することで、今後の業務の効率化に大きな期待が寄せられています。

導入の背景

調剤薬局では、処方せんの入力やマイナ保険証の確認、医薬品の供給の不安定化による代替薬の提案など、様々な業務に対応しなければなりません。また、患者さんに対する説明責任も高まり、より丁寧で迅速な対応が求められています。しかし、限られたスタッフでの運営では業務が中断することも多く、効率が低下する要因となっていました。

例えば、薬剤師が処方せんを入力中に、他の業務が発生することで待ち時間が増えることが一般的でした。その結果、患者さんもスタッフが空いているのを待たなければならず、サービスの質が落ちる危険も孕んでいます。こうした課題を解決するため、なの花薬局では、業務フローの見直しとAIの導入を決定。

AIエージェントの特徴

「薬急便遠隔接客AIアシスタント」は、薬剤師の業務を支援してスムーズな患者対応を実現するAIソリューションです。AIによる音声案内や受付業務の自動化により、患者さんの待ち時間を大幅に軽減します。さらに、遠隔でのスタッフによるフォローや薬の説明が可能になるため、業務効率が飛躍的に向上することが期待されています。

具体的な導入機能

このAIアシスタントは、来局する患者さんに対し、スムーズな受付の実現を目指します。例えば、LINEやFAXで事前に処方せんを送信された患者さんや、店頭で受付後に外出された方など、さまざまな来局パターンに柔軟に対応します。この結果、声をかけなくてもスムーズに受付ができるようになります。

さらに、薬剤師が調剤室でリアルタイムに受付情報を把握できるため、業務が中断されることが少なくなり、ミスの軽減やスピーディな受付が可能です。マイナ保険証の確認も一貫性を持たせることで、業務の効率化を促進します。

導入店舗の声

導入を行ったなの花薬局のスタッフリーダーは、「業務効率の向上だけでなく、患者さんとの関係性を良好に保つためにもこの自動化は重要です」とコメントしました。その初日の利用者数が多く、業務負担の軽減を実感するスタッフの声も寄せられています。事前に処方せんを送信することで、受付からお薬の受け渡しを1分以内に完了させるケースもあるとのことです。