不正送金検知技術
2025-07-22 14:08:21

銀行連携による不正送金検知の新技術実証実験結果を発表

銀行連携による不正送金検知技術の実証実験



国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)、神戸大学、株式会社エルテスは、プライバシー保護連合学習技術「DeepProtect」と「eFL-Boost」を駆使して不正送金の検知を目的とする実証実験を実施しました。この実験は、千葉銀行、中国銀行、三井住友信託銀行の協力のもと、実際の銀行データを用いて行われました。金融取引における不正の検知を目的とし、特に日々進化する犯罪手法に対応するための新しい技術を導入しました。

実証実験の背景と目的


この研究は、JSTの戦略的創造研究推進事業の中で行われ、複数の金融機関のデータを安全に連携させ、AIを活用して不正取引を検出することを目指しています。特に2016年からの継続的な研究開発によって、AI技術を進化させ、多様な不正検知のニーズに応えるシステムの構築を目指しました。

実験の設計方法


実証実験では、継続学習のシナリオを採用し、日々新たに得られるデータを学習に活用することができるモデルを構築しました。このモデルでは、各銀行が個別に学習したAIモデルと、連合学習で構築したAIモデルの精度を比較しました。その結果、連合学習によって得られたモデルの方が、平均で約18ポイントも不正口座を検出する再現率が向上しました。

また、データが不足しがちな不正取引に対処するため、疑似取引データを生成し、それを学習に加えることでさらに精度向上を図りました。その結果、特定の銀行において、適合率の改善が確認されています。

次なるステップ:業界展開とユーザーニーズの反映


この実証実験は単独の成功に留まらず、さらなる展開を考えており、他の業種、特に医療や流通など、データのプライバシーが求められる分野にも技術を応用していく予定です。今後は、蓄積されたデータを通じてユーザーニーズへの対応や、技術の機能拡張に向けた基礎研究も続けていく考えです。

共同研究への期待


本プロジェクトでは、NICTがDeepProtectの研究と実証実験を担当し、神戸大学がeFL-Boostの開発を行い、エルテスが実証実験全体の運営を行っています。また、テラアクソンは銀行の実環境での実証実験をさらに推進しています。これにより、多くの金融機関が連携し、協力することで実現した技術が更に発展していくことが期待されています。

最後に、多くの業界で必要とされる安全で信頼できるデータ解析技術の実現に向けて、研究チームは引き続き努力を重ねていきます。研究成果が他の業種にも活用され、社会全体のセキュリティ向上に寄与することを願っています。


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情報通信研究機構 広報部
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