水素エネルギー供給システム
2018-03-26 19:03:05

楽天生命パーク宮城で運用開始された水素エネルギー供給システムの全貌

水素エネルギーの未来を切り開く「H2One™」



2023年、東邦光を放つ宮城県の「楽天生命パーク宮城」。そこで、東芝エネルギーシステムズによる自立型水素エネルギー供給システム「H2One™」の運転が開始されました。このプロジェクトの背景には、持続可能なエネルギーを実現するための大きな志があります。

「H2One™」は、太陽光で生成した電力を水素に変換し、その水素を収蔵タンクに貯めることで、大気中にCO2を放出しない電力供給システムです。運転開始にあたるこの装置は、発電した電力を用いて、楽天生命パーク内のデジタルサイネージや地域のラジオ放送局「Rakuten. FM TOHOKU」に安定して電力を供給します。

災害時のライフライン確保



特に注目すべきは、非常時におけるこのシステムの役割です。もしライフラインが寸断されてしまっても、貯蔵された水素を利用して発電を行うことが可能です。この機能により、球場内で災害情報を伝達するためのサイネージや、避難誘導用の照明、さらには避難者のための携帯電話充電用電源として活躍します。また、手洗い用の温水も供給できるため、さまざまな状況に対応できるフレキシビリティも兼ね備えています。

コンテナモデルによる省スペース化



「H2One™」は、最新技術を駆使して構築されています。水素を高効率でコンパクトに貯蔵するための水素吸蔵合金タンクを採用し、機器は全てワンコンテナに凝縮されています。これにより、従来3台の20フィートコンテナに格納されていた機器が1台に収まり、設置スペースを大幅に縮小しました。最小限の配管工事での設置が可能となり、地域の需要に応じた柔軟な対応が期待できます。

持続可能なエネルギーの取り組み



東芝エネルギーシステムズは、すでに地域のニーズに応じた多様なエネルギーソリューションを提供しています。東北地方では、東北電力株式会社向けに「H2One™」を納入しており、福島県浪江町を対象とした再生可能エネルギー利用水素プロジェクトにも参加しています。

同社の技術の融合によって実現する水素エネルギーに特化した製品開発は、持続可能な未来を目指す重要なステップです。再生可能エネルギーを活用したCO2フリーの水素社会の実現は、手の届く未来なのです。

「H2One™」の運転開始は、地域への新たなエネルギーの供給や災害時の安心感をもたらし、さらには持続可能な社会づくりに向けた重要な一歩として評価されています。今後、こうした取り組みが国内外で広がり、さらなるエネルギーの革新が進むことが期待されます。

会社情報

会社名
東芝エネルギーシステムズ株式会社
住所
川崎市幸区堀川町72-34
電話番号
044-576-4707

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