商船三井とヴァーレ社の新技術導入
商船三井株式会社が、世界有数の鉱物資源会社であるヴァーレ社向けの既存ケープサイズバルカーに新たな風力推進補助装置「ローターセイル」を搭載した。この取り組みは世界初となり、風力エネルギーを利用して燃料消費量を削減し、環境への影響を軽減することを目的としている。
ローターセイルとは
ローターセイルは、風力を利用して船舶の推進力を補助する装置であり、高さ35メートル、直径5メートルの2基が搭載された。この技術は、ナースパワー社によって開発されたものであり、航海最適化システムと組み合わせることで、年間約6~10%の燃料消費量と温室効果ガス(GHG)排出量を削減することが期待されている。
企業の環境ビジョン
商船三井は「商船三井グループ 環境ビジョン2.2」を策定し、2050年までにネットゼロ・エミッションを達成することを目指している。このビジョンの実現に向けて、風力推進装置の搭載を含めた省エネ技術の導入が重要なアクションの一つとして掲げられている。商船三井グループは、ローターセイルやウインドチャレンジャーなどの環境対応技術を導入し、CO2排出削減に貢献することを目指している。
ヴァーレ社の取り組み
一方、ヴァーレ社は国際海事機関(IMO)が設定した国際海運における脱炭素化目標の達成を支援するための取り組みを進めている。2035年までにサプライチェーンのGHG 排出量を15%削減することを目標としており、先進技術や最新鋭の船舶に注力している。また、これまでに様々な省エネ技術を導入してきた実績がある。
環境への貢献
商船三井とヴァーレ社は、環境負荷の軽減だけでなく、安定した鉄鉱石輸送の実現に向けても努めている。この新技術の導入により、企業の持続可能性の向上と、地球温暖化対策への寄与が期待される。これからも両社は連携し、GHG排出削減に向けた取り組みを強化していくとしている。
このように、商船三井とヴァーレ社は最前線での環境への配慮と新技術の導入を通じて、持続可能な未来を見据えた取り組みを進めている。