家族の距離感調査
2014-08-28 15:09:23

家族の心理的距離感調査から見える現代の人間関係の変化

家族の心理的距離感調査から見える現代の人間関係の変化



最近、ADKが行った「日本人の平均調査」に基づく家族や友人との心理的な距離感に関する興味深いデータが発表されました。調査では、理想の距離と現実の距離をメートルで数値化し、各世代や性別による違いを明らかにしています。特に、家族の中での心理的な距離は私たちの関係性を理解する上で重要な指標となっています。以下にその結果を詳しく見ていきましょう。

1. 家族の中で一番遠い存在は父親、最も近いのはペット



調査結果によると、家族の中で最も遠く感じられているのは「父親」で、実に119mという距離が測定されました。一方、最も近く感じられているのはペットで34mです。このデータから、私たちは家族との関係において、特に父親との距離を縮めたいという強い思いを抱いていることがわかります。

理想の距離としては、子供との関係が24mと最も近いとされ、家族の中で子供との距離感を特に重視し、心理的に近づきたいと感じているようです。このことは、家族でのコミュニケーションの重要性を再認識させます。

2. 母親と父親の子離れの違い



この調査では、母親と父親の子離れに対するアプローチが明確に表れています。20代の母親は、理想と現実の距離が6mと最も短く、子供との結びつきを強く持とうとしています。しかし、60代になると、実際の距離は70mにまで及び、理想とのギャップが広がっていくことがわかります。これは、母親が子供の自立を受け入れ、上手に子離れをしていることを示しています。

対照的に、父親は年代が上がるにつれて理想の距離と現実の距離の乖離が大きくなり、特に60代ではその差が34mにもなります。父親は子供に寄り添いたいという気持ちが強い一方で、現実の距離が開いてしまうという切ない現状が浮かび上がります。

3. 思春期の父と娘のすれ違い



思春期を迎えた子供たちは、特に父親との距離感を感じることが多いようです。10代の娘たちから父親の距離を測定したところ、その実際の距離は153mに達し、理想の距離69mとの間に84mものギャップが生まれています。同様に、10代の息子においても、父親の距離は132mで、理想の64mとの間に68mの差が存在します。この結果は、子供たちも内心ではもっと父親に近づきたいと願っていることを示唆しています。

4. 今どきの10代女子と友人・恋人の距離感



さらに興味深いのは、今どきの10代女子の「親友」と「恋人」に対する距離感です。10代女性は、親友との距離が29m、恋人との距離は24mで、ほぼ同等の距離と感じています。それに対して20代女性は、親友との距離が36m、恋人は10mと、恋人に対して圧倒的に近さを求めていることがわかります。この変化は、SNSやコミュニケーションの発展によるものと考えられ、若年層が友人関係も重視していることを示しています。

結論



この調査を通じて、家族関係や友人関係における人間の心理的な距離感がどのように変化しているのかを理解することができました。家族とのコミュニケーションを深め、子供たちと近づきたいという思いは、現代社会においてますます重要な課題であることを示しています。社会が変化する中で、人間関係も進化していることを忘れてはなりません。

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