エアロネクスト、モンゴルで進化するスマート物流
株式会社エアロネクストは、東京都渋谷区に本社を置くテクノロジースタートアップで、ドローンを活用した次世代物流システムの開発を進めています。その中で、特に注目されているのが、モンゴル・ウランバートルにおける新スマート物流モデルの構築です。これは経済産業省が行う補助金を受けてのプロジェクトであり、医療分野の物流を中心に、ドローンを駆使した配送システムの実証を目指しています。
渋滞の深刻化を背景に
ウランバートル市は、交通渋滞が深刻化している都市で、特に医療品の迅速な配送が難しいという課題があります。このような環境に対処するために、エアロネクストは2022年から現地での活動を始めました。具体的には、国際協力機構(JICA)の支援を受けながら、ドローンを使った医療品の配送ネットワーク構築を進めています。
実証実験の成功
2023年11月、エアロネクストは国立輸血センターと提携し、極寒の環境下でのドローン配送実証実験を行いました。この実験では、気温が-15℃の厳しい条件の中、血液を配送するためのドローンが飛行しました。この成果は、モンゴル国内での医療物品輸送における新たなスタンダードを確立する第一歩となりました。
ドローン配送の本格運用
今年の6月には、エアロネクストが運営するNEXT DELIVERYが、モンゴル国内で初となる商用ドローン飛行ライセンスを取得しました。これを受けて、ウランバートル市内の医療機関間で血液の定期配送が開始され、従来の救急車両に代わってドローンが一部の配送を担っています。45日間で50回の商用飛行を成功させ、実際に2名の命を救う緊急輸送も実現しました。
新たな展開の可能性
今回の補助金採択により、エアロネクストはマイルストーンを迎え、さらなる活動の加速を図ります。医療分野を起点に、モンゴルにおけるスマート物流モデルを確立し、次いで他の新興国への展開も視野に入れています。これにより、同様の課題を抱える都市への体制移行も試みられることでしょう。
モンゴルでの本事業詳細
本プロジェクトでは、以下のような目標を設定しています。
1. ドローン配送のスタンダード化
2. 最適な物流オペレーションの導入
3. 資金調達活動やニーズ確認を他国(キルギス・ウズベキスタン等)で実施
これらの取り組みは、今後、モンゴル国好例として評価される可能性が高く、その成功が他国でのスマート物流展開の基盤を築くものとなるでしょう。
エアロネクストのさらなるビジョン
エアロネクストは、「空が社会インフラとなり、経済化される未来」を目指しています。今後もテクノロジーを駆使して社会課題の解決に貢献し、持続可能な物流システムの拡充を図っていくことでしょう。ドローンの運用を進めることで、私たちの生活はより快適に、効率的になっていくことが期待されています。
これからもエアロネクストの進展に注目していきたいものです。