フェムテック市場拡大に向けた企業の導入状況調査
はじめに
経済産業省が進めるフェムテックの普及を目指す実証事業において、企業のフェムテック導入状況やその経営上の位置づけを調査した結果が発表されました。この調査は、女性の健康課題に対する企業の意識や、具体的な対策の実施状況を探ることを目的としています。
調査目的と方法
nanoniは、企業がフェムテックサービスを導入する動機や状況を把握するために、全国の女性活躍推進に取り組む企業1,000社にヒアリングを行いました。この調査では、特に「経済産業省の実証事業」としての背景を示しながら、電話でのインタビューやメールを通じて情報を収集しました。
調査の進め方
調査対象は公的な認証を受けた約33,000社の中から選ばれ、その中でヒアリングに興味を持つ企業を選定しました。最終的に、約300社から有効な回答を得ることができました。
調査結果の概要
ヒアリングの結果、企業属性は多様であり、フェムテックの導入を担当する部門は主に人事部が中心となっていることがわかりました。しかし、企業によっては独自の部門が設立されている場合もあり、女性活躍推進の取り組みに意欲的な姿勢が伺えます。
女性の健康に関する意識
驚くべきことに、6割以上の企業が「女性の健康課題」は経営上の重要な問題として認識していないという結果が出ました。これに対して、男女比が均等な企業は相対的に課題を認識している傾向が見られました。
女性の健康課題に対する対策
回答した企業の中でも、妊娠や不妊に対する対応が最も優先度の高い健康課題として挙げられました。また、これらの企業の中には、7割以上が何らかの対策を講じていることが判明していますが、セミナーの開催が最も多く見られる対策内容でした。
フェムテックの導入検討
興味深いのは、女性の健康課題への対策を実施している企業の約半数がフェムテックサービスの導入を検討しているということです。この中でも特に興味を持たれているサービスは、オンライン相談やセミナーといったハードルの低いサービスです。
対策が進まない理由
一方で、女性の健康課題への具体的な対策が進まない企業の多くは、他の課題に取り組む必要性があると回答しています。未対策の企業では、解決策が見つかった場合でもフェムテックを導入する可能性は低いという意見も多く寄せられました。
フェムテックが導入されない理由
企業の中には「そもそもフェムテックについて知らない」との回答も目立ち、導入への障壁として顕在化しました。
結論
この調査結果から、フェムテック市場の拡大には、企業が女性の健康課題を真剣に捉え、その課題に対する具体的な対策を考える必要があることが示唆されました。また、国や事業者がフェムテックの価値を積極的に発信していくことが、今後の課題として残ります。
まとめ
女性活躍推進のためのフェムテック導入は、まだ始まったばかりの企業が多いことがますます明らかになりました。今後、企業が女性の健康に配慮した実効性のある施策を構築し、強力なサポートを受けられる環境を整備していくことが期待されます。
詳細なレポートは
こちらからダウンロードできます。[nanoni]は、企業向けの初のフェムテックプラットフォームを提供し、幅広く支援しています。