2023年に入り、日本企業は脱炭素化に向けた大きな動きを見せています。その中でも、SCSK株式会社と株式会社バイウィルの資本業務提携は特に注目されています。この提携は、脱炭素社会の実現を目指す企業にとって新たな光明となるでしょう。両社は、GX(グリーントランスフォーメーション)の加速を通じて、環境価値を最大限に引き出すことを目指しています。
背景と目的
近年、企業の脱炭素対応は単に自身の取り組みに留まらず、サプライチェーン全体や地域社会との連携が求められるようになってきました。特に、持続可能な成長を実現するためには、ステークホルダーとの協力が不可欠です。SCSKは、長年にわたってデジタル技術とITサービスを駆使し、GXを推進するためのサービスを展開しています。具体的には、今年7月からは中堅・中小企業向けにCO₂排出量の計算サービス「CO×COカルテ」を開始しました。これにより、企業が自身の排出量を正確に把握し、改善に向けた行動を起こすための手助けを行っています。
一方で、バイウィルは全国47都道府県でカーボンニュートラルの実現を目指し、カーボンクレジットの提供や脱炭素経営の支援を行っています。これまでに120以上の自治体や地域金融機関と連携し、地域経済の活性化を図るとともに、企業の脱炭素活動をブランディングの側面からも推進しています。
このように、SCSKとバイウィルの提携は、デジタル技術と環境価値の集約的な知見を持ち寄ることで、企業が脱炭素化の"負担"を"成長機会"に変換する新たな仕組みを構築することを目的としています。
協業内容
今後、SCSKとバイウィルは共同で活動を展開していきます。具体的には、バイウィルのネットワークを利用して「CO×COカルテ」の導入を進め、SCSKのプラットフォーム「EneTrack」を通じて国際的な環境価値証書「I-REC」の流通を拡大します。
これにより、CO₂の排出量の可視化や削減、環境価値の活用といった、多面的なサポートを提供します。また、この提携が地域やサプライチェーン全体に循環型経済をもたらす「循環型GXエコシステム」の構築にも寄与することを目指しており、データ連携や共創のための基盤となる「環境サプライチェーン・プラットフォーム(環境SPF)」の推進を図ります。
企業の紹介
SCSK株式会社は、コンサルティングからITサービス、システム開発に至るまで、幅広いITソリューションを提供しています。ITを基盤とした社会課題の解決に焦点を当て、ビジネスの多様なニーズに応える新しい挑戦に取り組んでいます。
一方のバイウィルは、カーボンクレジットの創出と売買、脱炭素コンサルティング、ブランド支援に特化しており、全国120以上の自治体や金融機関と連携しています。地域経済の活性化を目指し、カーボンニュートラル推進に貢献する企業です。
まとめ
SCSKとバイウィルの資本業務提携は、脱炭素社会の実現に向けた意義深い一歩です。この提携により、多くの企業が脱炭素化の取り組みを進め、その結果として企業の成長にも寄与することが期待されます。今後の両社の取り組みに注目が集まります。