2024年1月1日、能登地方を襲った大地震。千年に一度と言われるこの災害は、伝統産業を支える多くの事業者を直撃しました。その中でも、刀鍛冶の伝統を受け継ぐ「ふくべ鍛冶」は、被災から立ち上がり、新たな挑戦をスタートさせました。
「リペアクラウド」は、伝統工芸品や日用品の修理を専門とするプラットフォームです。能登の伝統産業を支える技術を活かし、大切な品物を長く愛用できるよう修理サービスを提供することで、地域経済の活性化を目指しています。
「ふくべ鍛冶」代表の干場さんは、地震発生後、全国から寄せられた応援を力に、宅配包丁研ぎサービス「ポチスパ」をスタートさせました。このサービスは、多くの人に支持され、復興への道を歩むための大きな一歩となりました。
しかし、地震からの復興は容易ではありません。多くの事業者が、経済的な困難や人材不足に苦しんでいます。干場さんは、そんな状況を目の当たりにし、「自分たちだけで復興を成し遂げるのではなく、地域全体で力を合わせていく必要がある」と感じました。
「リペアクラウド」は、この思いから生まれたプロジェクトです。能登の伝統産業の技術を活かし、全国の修理ニーズに応えることで、地域経済を活性化させ、雇用を創出することを目指しています。
「リペアクラウド」には、漆器修理の「田谷漆器店」やまな板削りの「杉本木工々房」など、様々な伝統産業の事業者が参加しています。それぞれの事業者が持ち合わせる技術を結集することで、より幅広い修理サービスを提供し、顧客満足度を高めていく予定です。
「リペアクラウド」は、単なる修理サービスではなく、伝統産業の継承と地域経済の活性化を目的としたプロジェクトです。能登の伝統文化を次世代に繋ぎ、地域を元気にする取り組みとして、多くの人々の支持を集めています。
干場さんは、「能登を『シュウリ(修理)コンバレー』にして、伝統産業を盛り上げていきたい」と意気込みを語ります。「リペアクラウド」は、能登の復興、そして日本の伝統産業の未来を担う重要なプロジェクトと言えるでしょう。