AIを活用した革新的な外国語学習の試みとは

東京都市大学で行われた発表会で、外国語学部の学生たちが生成AIを利用した先進的な外国語学習システムを紹介しました。この取り組みは、AI教師アバターや人型ロボットPepperなど、多様なテクノロジーを駆使しており、学びの質を向上させることを目的としています。

AI教師アバターによるペア外国語会話学習支援

外国語学部2年生の的場詩音さんは、AI教師アバターを使ったペアワークの制度を発表しました。このシステムは、ChatGPTを基盤としてリアルタイムに会話を分析し、終了後には文法の誤りやより自然な表現に対する多角的なフィードバックを提供します。

この方法では、ペア同士が会話する際に途切れることが少なく、学習者の意欲向上にも寄与することが分かりました。従来の英語教育の現場では、教師がすべてのペアの会話を観察し、フィードバックを行うのは容易ではなく、学習者同士の誤りを修正し合う機会が限られていました。AI教師アバターの導入により、この課題に対する有効な解決策が提示されています。

Pepperを使った韓国語の敬語と視線トレーニング

続いて、外国語学部3年生の古賀愛弓さんは、韓国語学習者のための新しいトレーニングシステムを発表しました。彼女は、韓国語における敬語と視線の取り扱いの重要性に着目し、AI技術を活用してこれらの文化的マナーを効果的に学習できる環境を整えました。

このトレーニングでは、Pepperが学習者の視線を追跡し、その動きに基づく評定を行います。韓国語特有の敬語の使い分けや、適切なアイコンタクトの重要性を学ぶことで、学習者はより自然なコミュニケーションスキルを身につけることが可能になりました。実際、学生たちはこの実践を通じて、韓国文化の深い理解も得ることができるという評価を受けています。

混在言語の処理能力を評価

もう一人の学生、折橋暖人さんは、ChatGPTの混在言語処理能力に関する研究を発表しました。彼は、英語と中国語を同時に学ぶ学生たちを対象に、ChatGPTを用いて質問を行い、その回答を得る実験を行いました。この結果、ChatGPTは混在する言語にも高い理解力を見せ、学習者に対する心理的負担を軽減する可能性があることが明らかになりました。

発表を通じた成長

発表会は、電子情報通信学会の一環として行われ、約5日間にわたって開催されました。東京の世田谷区にある東京都市大学から、多くの学生たちが参加し、実際に取り組んだプロジェクトを発表しました。指導を行った関西外国語大学の卯木輝彦教授は「それぞれの仕上がりに自信を持って臨み、専門家からのフィードバックも大いなる学びとなった」と述べるなど、その成果を称賛しました。

このように、AIを取り入れた外国語学習の新たな試みは、今後も教育界に多くの影響を与えることでしょう。学習者がより自然に言語を習得できる環境が整いつつあり、次世代の教育方法として非常に期待されています。