築年数と賃料の意外な関係
2018-04-12 10:00:42
築年数と間取りが賃料に及ぼす影響とは?不動産ビッグデータ分析で判明
築年数と間取り、賃料減少率の意外な関係
近年、不動産市場では築年数の増加に伴う賃料減少が大きな課題となっています。しかし、その減少率は間取りによって大きく異なることが、株式会社キーウォーカーによる不動産ビッグデータ分析で明らかになりました。
同社はWeb上から取得した89,000件もの賃貸物件データを用いて、築年数と賃料(平米単価)の関係性を詳細に分析しました。その結果、都内全域において、築年数の増加による平米単価の減少量は、物件の構造や間取りによって大きく異なる傾向が見られたのです。
間取りによる賃料減少率の違い
まず注目すべきは、1Kと2LDK以上の物件の間でみられる賃料減少率の差です。
1Kの物件では、木造と鉄筋コンクリート造で異なる傾向が見られました。木造1Kは築5年と築35年で減少が顕著になる一方、鉄筋コンクリート造1Kは築50年まで比較的緩やかな減少を示しました。これは建物の構造が耐久性に影響を与えることを示唆しています。
一方、鉄筋コンクリート造の2LDKや3LDK物件は、築10年から20年の間に新築時の半額以下にまで平米単価が減少するケースが多く見られました。これはファミリー層向けの物件において、築年数の影響が特に大きく現れることを示しています。
さらに驚くべきは、新築時の平米単価は2LDKや3LDKの方が1Kよりも高いにもかかわらず、築30年といった築古物件では逆転現象が起こり、2LDKや3LDKの方が安価になっているケースが多いという点です。
分析結果が示すもの
この分析結果は、不動産投資や賃貸物件選びにおいて、間取りを考慮することの重要性を示しています。ファミリー向けの物件を検討する際は、築年数による賃料の下落幅を十分に考慮する必要があります。
また、1K物件においては、構造の違いによる耐久性への影響も考慮すべきでしょう。木造と鉄筋コンクリート造では、長期的なコストパフォーマンスが大きく異なる可能性があります。
今後の展望
キーウォーカー社は、今回の分析結果に加え、都心5区とそれ以外の地域、さらに愛知県名古屋市での比較分析なども行っています。より詳細なデータや分析結果は、同社のウェブサイトで公開されているため、不動産投資や賃貸物件探しに関心のある方は、ぜひ参考にしてみてください。
本調査は、膨大なデータに基づいており、不動産市場の現状を把握し、将来予測を行う上で貴重な知見を提供するものと言えるでしょう。今後の不動産市場の動向を予測する上で、非常に重要な示唆に富んだ分析と言えるでしょう。
キーウォーカー社について
株式会社キーウォーカーは、WEBクローラの開発やビッグデータ分析などを手がける企業です。2000年11月22日設立、資本金5,000万円。東京都港区に拠点を置いています。人工知能の研究開発にも力を入れており、不動産業界のみならず、様々な分野でデータ分析によるソリューションを提供しています。
会社情報
- 会社名
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株式会社キーウォーカー
- 住所
- 東京都港区西新橋1-8-1 REVZO虎ノ門 4F
- 電話番号
-
03-6384-5911