Z世代が築く新しい落語の世界
2021年、落語家になりたい小学生のランキングで第1位に輝いたのは、意外にも落語家でした。この夢を実現するために、Z世代向けのクリエイティブチーム「Z落語」が活動をスタート。若者たちとともに、落語の新しい魅力を引き出す取り組みが進行中です。
Z世代の実態調査
2020年10月、Z世代76名を対象に落語についてのイメージ調査を実施しました。その結果、約80%がこれまで落語を観に行ったことがないと回答。観たことがある人の多く(64.4%)は学校行事によるもので、自発的に落語を体験した若者は少数派でした。この調査から、若者にとって落語が身近でないことが浮き彫りになりました。
Z落語がその現状を打破すべく、2020年12月に実施した落語イベント「YOSE」。SNSを駆使し、落語の魅力を訴求することで、これまでの落語のイメージを刷新し、若者たちを寄席の世界へ招き入れました。おかげで2日間のイベントチケットは完売し、来場者の90%がZ世代という結果に!終演後の満足度も91%を超え、高評価を得ることができました。
新たな取り組みの始まり
この成功を元にZ落語は、さまざまな新プロジェクトへと展開していきました。「ZuZuZuit!(ズズズイット!)」というアパレルブランドや、Z世代のクリエイターとの対談メディア「Not a TL」といった、落語をテーマにした新たな文化を作り上げています。これにより、「落語家」という職業がZ世代のアイコンとして認識される未来を、思い描いています。
桂枝之進の挑戦
「Z落語」の核となる存在は、桂枝之進(2001年生まれ)。彼は5歳から落語に触れ、17歳で落語家の修行を始めました。彼は、「Z世代とは何か」を考えながら自身が落語家としてのキャリアを築いています。落語を通じてZ世代の視点を取り入れ、新たな落語のあり方を提案したいと語ります。
見据える未来
Z落語は、次世代の若者たちに対し落語を新しいコンテンツとして体験できる場を提供し続けます。その目的は、「2031年、小学生がなりたい職業ランキングで落語家が1位になること」。そのために、登録者数約4万6千のSNSプラットフォームを活用し、落語の魅力を広める取り組みを続けています。
これからも落語を通じてZ世代の文化を育み、新たな才能を発掘する活動を続けるZ落語。その情熱は未来の落語界を大きく変える可能性を秘めています。
公式サイトとSNS
Z落語に関する最新情報は、以下のリンクからチェックできます。
このように、Z世代の力を活かした落語の発展に期待が寄せられています。若者たちが新しい魅力を持った落語をどう享受し、育てていくのか、今後の展開から目が離せません。