切子モダニズム展
2021-06-25 10:46:09
夏の彩りと切子の美が融合する「切子モダニズム展」開催
新たな切子美を体験する「切子モダニズム展」
株式会社Gatouが主催する「切子モダニズム展」が、7月6日から24日までアートスペース・ツクヨミにて開催されます。この展示会では、伝統的な薩摩切子と江戸切子の技術を用いた斬新なモダニズムカットの作品が展示され、夏の涼しさを感じさせる彩りを提供します。
出展するのは、名工である高橋太久美氏を始めとする五人のクリエイターです。彼らの作品は「手磨き」によって生み出されるシャープなエッジと輝きが特徴であり、見る者を魅了します。
切子の歴史と魅力
切子ガラスは、日本の伝統的なカットグラスの一種で、江戸時代に長崎から大阪を経て発展しました。「江戸切子」と「薩摩切子」の二つのスタイルが存在します。江戸切子は、その名の通り江戸で生まれ、多くの小さな工房で手作業で作られました。特に鉛ガラスを使用し、高い屈折率により、光を当てると虹色の美しい光を放ちます。
一方、薩摩切子は薩摩藩が幕末から明治にかけて生産したもので、色被せの技術が特徴です。そのため、削られた面に現れる「ぼかし」が大きな魅力となっています。この独特の技術は、当時の薩摩藩だけが持つものでした。
切子の復元とモダニズムカット
一度途絶えた薩摩切子は、1975年頃から復元が始まりました。高橋太久美氏はその復元に参加し、高度な技術を身につけました。彼はその経験を活かし、モダニズムカットという新たなスタイルを確立しました。
たくみ工房では、通常の薬品処理に頼らず、手磨きを用いてガラスを磨き上げます。これにより、より美しい輝きとシャープさが引き出されます。この伝統的な手法は、随所に職人の技が光るポイントとも言えます。
新時代の切子作家の育成
高橋太久美氏率いるたくみ工房は、切子技術を学ぶための貴重な場です。これまでに多くのクリエイターがこの工房で技術を習得し、新たな切子作家として活躍しています。
アートスペース・ツクヨミ
今回の展覧会が開催されるアートスペース・ツクヨミは、2019年に大名でオープンしたアートギャラリー兼バーです。コロナ禍の影響を受け、新たに昼間にも営業し、アートギャラリーとしても注目を集めています。関心のある方々は、ぜひこの機会に訪れてみてください。
株式会社Gatouは、全国各地で現代作家の工芸品の展示会を企画し、伝統工芸の良さを広めています。博多人形や博多織のワークショップも行い、地域の文化の発展に寄与する活動を行っています。
この夏、切子の技術と美しさを新たな視点で体験することができる「切子モダニズム展」にぜひ足を運んでみてください。きっと新たな発見が待っていることでしょう。
会社情報
- 会社名
-
株式会社Gatou
- 住所
- 福岡県太宰府市都府楼南4-27-13
- 電話番号
-
092-986-9750