スペースデータとBuendeaによる月面デジタルツイン共同開発の始まり
2023年10月、株式会社スペースデータと米国のBuendea LLCは、月面の持続可能な開発に向けたオープンな月面デジタルツインアーキテクチャの共同開発に関する覚書を締結しました。この提携は、将来的な月面探査の支援を目的としており、宇宙における国際協力を象徴する重要なステップとなります。
提携の背景
この共同開発は、BuendeaがNASAのAdvanced Operations Concepts Lab(NAOCL)と連携し進めている月面デジタルツイン構想、「XOSS(Extended Reality Operating System for Space)」プラットフォームを基盤としています。スペースデータが持つAIやデジタルツインに関する知識と、月面科学の専門性を活かすことで、革新的な探査支援を実現しようとしています。
主な取り組み内容
オープン・ルナ・デジタルツインアーキテクチャの構築
両社は、BuendeaのXRプラットフォーム「XOSS」を利用し、マルチユーザーで高精度な月面環境シミュレーションを行えるオープンアーキテクチャの建設に取り組むことに合意しました。これにより、リアルタイムでの月面探索に向けた新たな舞台が提供されることになります。
Buendeaの役割
Buendeaは、Unreal Engineを用いた「XOSS Lunar」基盤の提供や、マルチユーザー対応のXR機能の拡張開発を担当します。これにより、より多くの人間やロボットが月面での実験や探査を行うことができる環境が整います。
スペースデータの役割
一方、スペースデータはデジタルツイン技術や月面科学に関する知識を提供し、持続可能な月面の開発に向けた産業界との協力を進めていきます。また、国際的枠組みであるアルテミス合意などへの貢献も期待されています。
コメント
BuendeaのCEOジュリアン・レイエス氏は、この提携に対し「月面をリアルタイムに再現するデジタルツインを構築し、宇宙探査の未来を形作るための大きな一歩です」と述べています。また、スペースデータの執行役員である高田 敦氏も「この連携は、宇宙産業を超えたさまざまな分野の持続可能な月面探査を実現するための進展であり、国際協調を促進します」と強調しています。
Buendeaとスペースデータの企業概要
Buendeaは、XR、リアルタイムレンダリング、空間シミュレーション技術に特化した企業で、宇宙開発のための訓練や探査、AI応用に使える没入型ソリューションを提供しています。一方、スペースデータは「宇宙の民主化」を目指し、宇宙をより身近にするインフラの構築に努めています。地球環境や宇宙の再現に重きを置いた技術開発を進めており、持続可能な宇宙社会の実現を目指しています。
まとめ
この度の覚書締結は、月面探査における新たな可能性を切り開くものであり、その成果が期待されます。両社の技術や知見が結集することで、未来の月面探査に向けた道が一層広がることに注目です。