DMMオンラインクリニックが導入した解析ツールの効果とは
オンライン診療サービスを提供するDMMオンラインクリニックが、新たにContentsquareのデジタル体験アナリティクス(DXA)を導入したことを発表しました。この決定は、患者と医療機関をつなげる上での顧客体験の質を向上させるためのものです。
2021年12月にサービスを開始したDMMオンラインクリニックは、ウェブサイトを「サービス本体の一部」と位置付けています。このプラットフォームは、医療機関と患者との接点をウェブ上で完結させるため、ウェブサイトが顧客体験において重要な役割を果たしています。
顧客体験の進化
サービスが始まってから3年が経ち、その間にウェブサイトは新規顧客の獲得だけでなく、リピート顧客との関係の構築、さらには長期的なサポートの役割も果たすようになりました。
DMMは、ウェブサイトを顧客との「つながる場」として進化させる考えのもと、UX設計やCRMを取り入れています。
しかし、ここでいくつかの課題が浮かび上がりました。サイト運営チームは、1つ目にユーザーに関する理解が不足しており、行動や属性の把握が限定的だったことを挙げています。また、分析と改善に向けた体制が不十分であったことから、仮説ベースでの改善活動に留まっていたのです。
課題の解決策
これらを解決するために導入されたのがContentsquareのデジタル体験アナリティクスです。
同チームは、特に以下の3つの点に期待を寄せました。
1.
ユーザー行動の可視化とデータの統合分析 :Googleアナリティクス(GA4)では得られなかった、ユーザーの行動の質を把握する機能。
2.
仮説頼りの改善からの脱却 :実際のユーザーの行動に基づいて改善提案を行い、無駄を省くこと。
3.
直感的なUIとチームでの共通言語化 :専門知識がなくても使いやすいインターフェースが、チーム全体でのデータ共有を促進する点。
継続的改善への取り組み
DMMオンラインクリニックのサイト運営チームは、Contentsquareを導入した結果、「分析の質とスピードが向上した」という手応えを感じています。
従来は仮説を立てるのに多くの工数を要していましたが、今では複数ページにまたがるユーザー動向を一元的に可視化し、迅速な意思決定を実現しています。
このような変化により、チーム全体で同じ情報を基に議論し、改善案を共有するプロセスが生まれ、分析が属人化せず、PDCAサイクルが回せる体制も整ってきているとのことです。
今後、DMMオンラインクリニックは、診療予約までの流れを最適化し、予約完了率を主要なKPIとしてさらなる改善を目指しています。特に、患者の心理状態に合わせた導線設計を行い、患者にとって納得感のある体験作りを目指すとのことです。
DMMオンラインクリニックのこの取り組みは、他のオンライン診療サービスにも良い影響を与える可能性があります。顧客体験の向上は、ただの数字を上げることに留まらず、信頼関係の構築にもつながるからです。今後の成果に期待がかかります。