JFEスチールが新たなセキュリティ対策で製鉄所の安定運用を確保
JFEスチール株式会社は、近年、急速に進化するサイバー脅威に対処するために、エンカレッジ・テクノロジ株式会社の次世代型特権ID管理ツール「ESS AdminONE」を導入しました。この動きは、製鉄所における生産プロセスを安定させるための重要なステップとされています。
導入の背景
JFEスチールは、製鉄所の制御システムにおいて、24時間365日安定稼働を維持することが求められています。そのため、Operational Technology(OT)ネットワークのセキュリティ対策の強化が急務でした。全国各地に点在する製鉄所では、システムの点検や調査にリモートアクセスが必須ですが、このアクセスをセキュアに保つ必要があったのです。しかし、これまでの体制ではトラブル発生時の対応が不十分で、作業者の異動によってアクセスポインタが残るなどのリスクがありました。そこで、リモート環境へのアクセスを許可するための新たな方針が検討されました。
導入の決め手
ESS AdminONEの選定にあたり、JFEスチールは特権ID管理ツールの重要性を認識しました。その中で、特権アクセスの申請・承認のワークフロー機能やファイルの入出力管理機能が整っている点が特に評価されました。また、WindowsやOT系の独自OSを含む幅広いシステムに対応していることも大きな魅力でした。さらに、ESS AdminONEは古いバージョンでも保守サポートが続くため、長期的な安定運用が可能であることも選定理由の一部に挙げられています。
導入効果
ESS AdminONEの導入後、JFEスチールはリモートアクセスのセキュリティが劇的に向上しました。悪意のあるアクセスが発生してもすぐに検出できるため、外部からの攻撃リスクを大幅に低減しました。これにより、休日や夜間のトラブル発生時にも、作業者が急いで出社する必要が少なくなり、迅速な対応が可能になりました。また、作業ミスが発生した場合でも、アクセスの証跡が残るため、原因を特定することが容易になりました。さらに、これまでのアクセス制御方式と比較して通信制限の設定工数が4分の1以下に低減され、業務効率も飛躍的に向上しています。
現在、JFEスチールは国内各拠点でESS AdminONEの導入を進めており、すでに半数以上の拠点で利用環境が整備されています。今後もさらなる拡大が期待されています。
さいごに
エンカレッジ・テクノロジは、今後も多くの企業の課題解決を目指し、製品の機能強化に取り組む方針です。このような先進的なシステムを用いることで、JFEスチールはさらなる安全性と効率性の向上を実現しています。今後もその動向から目が離せません。
JFEスチールについて
JFEスチールは、2003年に川崎製鉄とNKKが統合して誕生した名実ともに日本の鉄鋼業界を代表する企業です。
その中でも西日本製鉄所は、世界最大級の敷地面積と高度な技術革新に取り組む製造拠点として、国際的にも高く評価されています。
エンカレッジ・テクノロジについて
エンカレッジ・テクノロジ株式会社は、2002年に設立され、金融、公共、通信などの広範な業界において大規模なITシステムの運用管理を支援しています。市場シェアを14年連続で1位獲得しており、その製品の一つである「ESS REC」は760社以上に採用されています。