第22回決済システムフォーラムが示した新技術活用の未来
2026年4月17日、日本銀行にて対面形式で開催された第22回決済システムフォーラム。昨年からのオンライン開催が続く中、対面の形での開催は2018年以来、実に8年ぶりとなりました。このフォーラムは、日本国内の決済システムに関わる様々な実務課題について、主要な金融市場インフラ運営主体間で情報共有や意見交換を行うことを目的としています。
フォーラムの概要と主な議題
今回の会合では、海外の動向を考慮しつつ、金融市場インフラにおける新技術の活用に焦点を当てて議論が展開されました。主な議題は、以下の通りです。
- - 開会挨拶
- - FMIからのプレゼンテーション: 金融市場インフラにおける新技術の活用に向けた取り組み
- - 日本銀行からのプレゼンテーション: 海外の金融市場インフラにおける新技術の活用状況について
- - AIやクラウドの活用、DLT/トークン化の取り組み
- - 閉会挨拶
このフォーラムのオープニングでは、日本銀行決済機構局担当理事の神山一成氏が挨拶を言述。決済システムフォーラムが22回目を迎えることを報告し、その間の金融市場インフラを取り巻く環境の大きな変化について触れました。
新技術の導入とその重要性
神山理事は、決済業務の効率化や不正検知の強化を目指して、AIの活用が進む中、資産のトークン化や分散型台帳技術(DLT)の導入への取り組みも進行中であると述べました。さらに、セキュリティやシステムの柔軟性を確保するため、クラウドの活用が重要なテーマとなっています。
新技術を流通する金融市場インフラが効果的に取り入れるためには、安全かつ効率的なサービス提供が求められ、事業者や業界当局との連携が不可欠です。このような観点から、「金融市場インフラにおける新技術の活用」が今回のフォーラムテーマとされました。
プレゼンテーションの内容
フォーラムでは、さまざまな団体からのプレゼンテーションも行われました。特に注目すべきは、全国銀行資金決済ネットワークと日本証券クリアリング機構からの報告です。全国銀行資金決済ネットワークは、新たな決済システムの基本構想や組織体制について説明を行い、日本証券クリアリング機構は、商品先物決済においてDLTの利用やデジタル資産管理に関連する実証実験についての報告を行いました。
ディスカッションの焦点
続いて、日本銀行決済機構局からのプレゼンテーションを受け、海外の金融市場インフラにおけるAIやクラウド、DLT/トークン化の活用状況についてのディスカッションが行われました。
ディスカッションでは、AIの効率性向上に向けた活用が期待される一方で、AIが行う判断の明確化や検証プロセスの重要性が強調されました。また、クラウド移行におけるコストや業務特性の判断、およびクラウド事業者への依存度とリスク管理についても深く議論されました。
トークン化やDLTの導入に向けては、法制度の整備が大きな課題となっており、旧来のインフラと新システムの共存方法についても意見が交わされました。
まとめ
第22回決済システムフォーラムでは、日本国内の決済システムの安全性や効率化をさらに高めるために、新技術の活用がいかに重要であるかが強調されました。今後の金融市場における技術革新と共に、協調した取り組みが求められる時代が到来しています。私たちもこの動向に注目し、発展に寄与していきたいものです。