高精度測位システムが変える位置情報の未来
株式会社moegiが開発した位置情報アプリ「CALINT Mobile」は、バージョン1.7.1以上にアップデートされ、新たにSONYのIoT開発ボード「Spresense」と組み合わせた高精度GNSS受信デバイスの開発に成功しました。この技術革新により、従来の携帯通信が困難な環境においても、従来以上に正確な位置情報を取得できるようになりました。
技術の背景と課題
一般的に位置情報の測定にはGPSとモバイル通信の補正データが利用されてきました。しかし、特に山岳地帯や複雑な環境では、携帯電話の電波が届かず、測位の精度が大幅に低下していました。このような環境下では、位置情報の信頼性が大きく損なわれることが致命的な場合もあります。
従来「GPS」という言葉は、アメリカの衛星測位システムのみを指すことが一般的ですが、実際にはロシアの「GLONASS」、EUの「Galileo」、中国の「BeiDou」など、様々な衛星システムが存在します。moegiでは、日本の準天頂衛星『みちびき』を利用することで、通信インフラに頼ることなく、より精密な測位技術の開発に取り組んでいます。
新システムの使い方と特徴
新たに開発されたシステムは、SONYの「Spresense」を利用しています。このデバイスは、Bluetoothを介してCALINT Mobileと接続され、携帯電話網に依存せずに位置情報を繊細に取得します。これにより、例えばスマートフォン(iPhone)とSpresense単体で安価に高精度測位を享受できる点が魅力です。
主な特長:
- - モバイル電波がなくても稼働可能。
- - GPS単体を用いる場合と比較して、精度が向上。
- - 日本の準天頂衛星「みちびき」のみの電波を利用し、より正確な情報を提供。
- - CALINT Mobileとのスムーズな接続が可能で、利用の手軽さが際立ちます。
具体的な活用シーン
この新たなシステムは、山岳地域や離島、さらには災害現場での位置情報の信頼性を高めることに寄与するでしょう。また、通信インフラが不安定な環境における防災活動にも有効です。
モニター募集の案内
現在、Spresenseを基にした受信デバイスのモニター検証を行うための参加者を募集中です。法人・団体に対し、デポジット制で貸し出しを行います。応募は年内を予定しており、人気があれば早期に終了する可能性があるため、興味のある方は早めの申し込みをお勧めします。
詳しい情報や申し込みについては、moegiの公式ウェブサイトで確認できます。特に今後、位置情報管理ソリューションとしてのサービスの連携や商用の開始、そして追加機能の搭載も検討されていますので、アフターケアにも期待が寄せられている状況です。
会社概要
株式会社moegiは東京都武蔵野市を拠点に、2018年に設立された企業です。事業内容としては、位置情報管理ソリューション「CALINT」を中心にICTサービスの開発・提供を行っています。また、地域実証や地域貢献の一環として、いわきメダカの学校の運営も行っています。
会社情報:
- - 社名:株式会社moegi
- - 所在地:東京都武蔵野市吉祥寺本町2-8-4
- - 代表者:片寄里菜
- - 設立:2018年5月8日
技術の進歩により、我々の日常がどのように変わっていくか、非常に楽しみな未来が待っています。