林道と道路管理を効率化する新技術、MMSの活用とは
近年、自然災害の増加が報告されており、森林や林道の迅速な復旧、また管理の効率化が非常に重要視されています。そんな中、株式会社マプリィが開発したモービルマッピングシステム(MMS)の技術が注目されています。このシステムは、GNSS(衛星測位システム)が届きにくい森林内でも高精度な点群データを取得することで、林道や管理道路の詳細情報を正確に記録・管理できることを可能にしました。
背景と課題
多くの林道はその始点や終点が不明瞭で、また現況の把握も紙媒体の記録に依存しているため、正しい位置情報を得ることが困難でした。これが復旧作業や森林施業の効率に悪影響を及ぼしていました。そのため、より迅速かつ正確な現況整理を行うための新技術が求められていました。
mapryMMSの特徴
「mapryMMS」は、LiDAR(光による測距)、カメラ、GNSSを駆使した測定システムです。軽自動車や小型車両に取り付けることができ、運転するだけで、街や山林の3D点群データと動画を同時に収集できます。操作はタブレットから簡単に行うことができ、取得したデータは専用ソフトに導入することで、迅速に解析や地物登録、GIS(地理情報システム)との連携が可能になります。
導入メリット
1.
GNSSの弱い場所でも高精度: 内蔵ジャイロセンサーや他のデータ技術を用いて、森林内や林道でも正確に走行軌跡と点群データを記録できます。
2.
使いやすい解析機能: mapryPC版では、受け取ったデータを容易に解析できます。断面図や立木情報の抽出ができ、点群データを視覚化しながらリアルタイムでマッピングが可能です。
3.
現地映像との同期表示: データ収集の際、録画した動画と点群データを同時に確認できるので、地物の登録がスムーズに行えます。
取得データの種類
- - 線形データ(DXF): 道路・林道の線形をデジタル化
- - 点群データ(LAS): 高密度の三次元情報
- - DTM/DEMデータ: 地形のデジタル表現
- - 正射投影データ: 空間の正確なエビデンス
- - 動画データ: 操作の記録を伴う記録メディア
実際の操作の流れ
MMSを備えた車両で林道を走行するだけで、助手席に設置されたタブレットの簡単な操作で、動画と点群を同時に取得します。解析はmapryPC版で行い、GIS台帳と連携することで、すべてのデータを一元管理できます。
価格と導入のしやすさ
- - 標準モデル: 2,137,000円(税抜)
- - 年間アプリケーション利用料: 78,000円
- - ※他、別途費用が発生しますが、総じて負担は軽減されます。
まとめ
マプリィの提供するMMSは、これまで森林や林道管理において課題となっていた点を克服する解決策を提示します。簡便な操作で高精度なデータを取得できるこの技術は、災害復旧や林業活動の効率化に大きく貢献することが期待されます。
マプリィについて
マプリィは、測量、林業、防災、農業、建設に関わる多くの分野向けにサービスを提供しており、三次元データの取得や解析を容易に行えるソリューションを追求しています。利用を検討する方は公式サイトから詳細をチェックしてみてください。