オスラー病のセルフチェック
2025-10-07 11:18:22

簡易セルフチェックでオスラー病を早期発見!新システムの導入について

オスラー病セルフチェックシステムが登場



オスラー病、正式名称を遺伝性出血性末梢血管拡張症(HHT)は、日常生活に影響を及ぼす指定難病であり、国内には推定1万人の患者が存在するとされていますが、その診断率は僅か10%程度にとどまっています。この難病の早期発見を目的とした新たな取り組みが、特定非営利活動法人日本オスラー病患者会から発表されました。特に注目すべきは、国際的な診断基準である「キュラソー基準」に基づいた「オスラー病セルフチェックシステム」です。

セルフチェックシステムの概要



このシステムは、誰でも簡単に1分ほどで実施できる内容で構成されています。主に「繰り返す鼻血」や「毛細血管拡張」、「家族歴」などの診断要素を確認することができ、患者本人やその家族、さらには医療従事者や自治体にとっても早期対応や重症化の予防に繋がる重要なツールとなります。

理事長の村上匡寛氏は、「このセルフチェックを通じて、かかりつけ医から専門医を受診するきっかけとなってほしい」と期待を寄せています。

診断が遅れるリスク



現在、オスラー病の診断が遅れることのリスクが大きな課題となっており、動静脈奇形(AVM)が進行し脳梗塞や心不全、消化管出血などの深刻な合併症を引き起こす可能性があります。医師間での認知度も低く、“鼻血”一つで見過ごされることも多いのが現状です。実際、特に耳鼻科では「単なる鼻血」と誤解され、患者が適切な診断を受けられないケースが少なくありません。

セルフチェックの具体的な結果



セルフチェックシステムの結果はあくまで啓発目的の参考情報です。自覚症状がある患者や家族が受診を考えるきっかけになり、早期の診断と治療につながることが期待されます。また、医療従事者にとっては初期診断の補助教材として活用可能であり、地域社会における啓発資材にもなります。加えて、早期発見が医療費や救急搬送コストの削減にも寄与することが期待されています。

患者からの声



患者の実際の体験談も、多くの意義を示しています。「頻繁な鼻血が体質だと考えていましたが、セルフチェックを行って専門医を受診することができ、適切な治療に繋がりました。」このような声は、セルフチェックがどれほど重要な役割を果たすかを示しています。

医療従事者や自治体への影響



教育的なツールとしても活用されるこのシステムは、医学生や看護師、研修医の教育にも利用されることが期待されています。また、保健所や地域の学校でも市民向けの啓発ツールとして役立つため、未診断患者の早期発見が進むことで、社会全体にとっての利益となります。

最後に



「オスラー病は、繰り返す鼻血という身近な症状の裏に重大な病変が隠れています。このセルフチェックが、患者 自身や医療従事者、さらには自治体にとって早期対応の第一歩となることを願っています。」と村上理事長は締めくくります。

このセンシティブな病気に関する認知度を高め、より多くの人々が早期に専門的な診断を受けるための足がかりとなることを期待しましょう。今後、このセルフチェックシステムの普及が進むことで、オスラー病の認知と早期発見体制が構築されていくことを願っています。


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会社情報

会社名
特定非営利活動法人日本オスラー病患者会
住所
大阪府大阪市中央区内平野町1丁目2-6-304
電話番号
090-3167-3927

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