AIと消費者期待、CX変革の展望を探る最新調査結果
サンフランシスコを拠点にするジェネシスは、2026年7月14日、「カスタマーエクスペリエンスの現状レポート」を発表しました。この第5回となるレポートは、近年の消費者の期待の高まりや、AIがカスタマーエクスペリエンス(CX)の変革に果たす役割を明らかにしています。
消費者の期待とAIの役割
調査によると、日本の消費者の55%が「カスタマーサービスに問い合わせるくらいなら他のことをしたい」と答える一方、67%は「サービスの質が悪いため、特定のブランドへの支出を減らした、または利用をやめた」と述べています。これにより、企業はコスト削減だけでなく、AIを活用して顧客との関係を強化することが求められています。
さらに79%の消費者が「AIによってカスタマーサービスの質が向上することを期待している」と回答。72%は「AIがよりパーソナライズされたサービスを提供する」と考えています。しかし、手間が増えたり、問題解決が不十分な場合に対する厳しい見解も見受けられます。
問題解決の重視
顧客は、問題解決がなされるかどうかを最も重要視する傾向にあり、75%が「迅速かつ確実に問題が解決するのであれば、AIでも人間でも構わない」と述べています。しかし両者の効率性・共感性のバランスを求める傾向が強く、81%が「効率性は共感性と同じくらい重要」と回答しています。
一方で、最大の不満点は「人間のオペレーターに繋がらないこと」であり、適切なタイミングでAIと有人対応を組み合わせる「オーケストレーション」の重要性が浮き彫りになっています。
情報の引き継ぎの課題
多くの企業にとって、顧客の期待に応えることが依然とした大きな課題です。88%の日本の消費者が「チャネルを跨いでも顧客情報が適切に引き継がれること」を期待する一方で、58%の企業は自動的な情報引き継ぎの仕組みを導入していません。これにより、44%の企業が有人オペレーターが必要な情報を手動で確認する必要があり、また14%は必要な情報に容易にアクセスできない状況にあります。
CX部門のリーダーは、老朽化したシステム基盤の維持が運営の最大の課題であると述べており、この課題は顧客データや顧客とのやり取りを連携させることを妨げています。
消費者が求めるシームレスな体験
ジェネシス日本法人代表のポール・伊藤・リッチーは、「日本の消費者はAIに対して高い期待を寄せており、単にAIを導入するだけではなく、顧客接点をシームレスで一貫性のある体験に進化させることが求められています。」とコメントしています。AI、人の専門性、顧客のデータを統合することで、企業はパーソナライズされた顧客体験を提供し、顧客からの信頼を深め、ロイヤルティを構築できるとしています。
まとめ
最新の調査では、カスタマーサービスの待ち時間に対する消費者の期待との隔たりが指摘されています。日本の消費者の73%は待ち時間を「5分未満」と期待していますが、実際には74%が5分を超えて待たされているという結果になりました。高まる顧客期待と低下する許容度の中、企業はAIと人的サービスを効果的に統合し、シームレスな顧客体験を提供することが不可欠です。
本レポートでは、AIを活用した新たな顧客体験の実現が求められる背景が豊富に示されています。今後のCXの未来を築くためには、エージェンティックAIを中心に、企業のシステム全体を見直す必要があるでしょう。