経済産業省が食事補助制度の見直しを税制改正要望に明記

食事補助制度の現状と今回の要望の背景

現在、日本における食事補助制度は、企業が従業員に支給する食事に対して月額3,500円までを非課税としています。この制度は1984年に設定されて以来、40年以上も見直しが行われていないため、物価の上昇や外食・中食価格の高騰に全く対応できていません。これに対して、株式会社エデンレッドジャパンが中心となった「食事補助上限枠緩和を促進する会」では、企業、飲食店、サービス事業者を含む1,140社が参加し、制度の見直しを求めてきました。

この度、経済産業省は「令和8年度税制改正要望」において、食事補助制度の非課税限度額引き上げの必要性を言及しました。これにより、私たちが長い間要望してきた「食事補助非課税限度額の引き上げ」がついに政府の公式な議論の場に上がることになりました。この動きは、実際に制度改正へつながる重要な一歩といえます。

要望書の提出と議員との連携

今年の5月20日には、自民党の小泉進次郎議員をはじめ、5名の国会議員への要望書を提出しました。この取り組みが実を結び、6月の閣議決定「骨太方針2025」には、非課税限度額の速やかな見直しに関する提言が盛り込まれる結果となりました。

経済産業省が発表した「税制改正要望」にも、物価の高騰を考慮し、食事補助非課税限度額の引き上げが必要であるという言明が含まれています。これにより、引き続き与党の「税制調査会」での議論が進められ、企業や従業員の声が対象となり、実現に向けての道筋ができつつあります。

経済活動への期待

食事補助限度額の見直しが実施されると、企業の福利厚生の選択肢が増え、従業員の生活が豊かになるだけでなく、外食産業全体の需要も喚起されることが期待されます。特に、中小企業においては、従業員の待遇改善や健康経営の推進といったメリットも見込まれるため、制度改革の必要性は多くの企業にとって非常に重要な課題です。

食事補助制度における非課税上限は、従業員が自己負担で食事代の半額以上を支払うことを条件としており、企業が支給する上限を引き上げることが求められています。現在の制度を6,000円以上にまで引き上げることが主な要望内容となっています。

望まれる多面的な効果

食事補助の引き上げに伴う期待される効果は以下の通りです：
1. 従業員の手取り額増加: 物価高に対応するために、実質的な手取りを増やすことができます。
2. 健康的な食事選択の推進: より良い食事を選択できる環境を整えることにより、食育や共食の意識が高まります。
3. 労働生産性の向上: 中小企業にとっての人材確保や非正規社員の待遇改善など、経済全体に好影響をもたらします。
4. 飲食業界の活性化: 外食費が上昇することで、飲食産業の需要が高まり、消費が拡大します。

私たちは、今後もこの動きに注視し、関係機関と連携を図りながら制度の実現に向けて積極的に取り組んでいきたいと考えています。これは、企業と従業員、地域がともに発展するための重要な仕組みとなるでしょう。