鴻池運輸株式会社、経済産業大臣表彰を受賞
鴻池運輸株式会社が、2025年12月23日に行われた表彰式にて、「物流パートナーシップ優良事業者」として経済産業大臣表彰を受けました。この受賞は、江崎グリコ株式会社や卸売業者との連携により、チルド配送の積載効率向上に向けた取り組みが評価された結果です。
表彰の背景
この賞は、経済産業省および国土交通省が共同で実施するもので、複数の事業者間での協力により物流分野の環境負荷を低減させるなどの顕著な成果をあげた事業者に贈られます。鴻池運輸は、江崎グリコ主導のもと、メーカー、得意先、物流事業者という三者が協力した実践的な取り組みが評価されました。
この取り組みでは、物流業界が抱えるドライバー不足や環境問題に対処するために、段積みカーゴを活用し、コンテナ内のデッドスペースを解消する試みが行われました。鴻池運輸は、このプロジェクトにおいて、最適なカーゴ寸法の検証や紛失防止の表示、積込み品質向上に向けた試作、テスト輸送などを通じて、積載効率を高めることに貢献しました。
表彰式の様子
表彰式は、東京都千代田区の砂防会館にて開催され、鴻池運輸 定温物流支店の布川支店長が招かれ、表彰状を受け取りました。式典では、活動の成果や今後の展望についても触れられ、関係者の期待が寄せられました。
具体的な取り組み
1. テーマ
「メーカーと卸売業のコラボレーションと段積みマテハンを活用したチルド配送効率化」
2. 概要
江崎グリコが主導したこのプロジェクトでは、納品条件が厳しい日配品を扱う夜間チルド販売配送において、卸売業者の物流網を利用した共同輸送を行いました。これにより、直送トラックによる非効率な配送が削減され、段積みカーゴを活用してコンテナの積載率が大幅に改善されました。特に、得意先ごとのパケット型輸送により共同配送拠点でのピッキング作業を省略し、直送トラック台数を削減するとともに、ドライバーの労働時間を短縮することに成功しました。
3. 取り組みの効果
- - CO₂削減量:284トン/年(32%削減)
- - 直送トラック台数削減:1,460台/年(66%削減)
- - 労働時間削減:13,140時間/年(60%削減)
- - 積載率:44% → 54%(10%向上)
4. 鴻池運輸の役割
役割としては、段積みカーゴを解析しデッドスペースを解消することで積載効率を向上させるための活動に協力しました。
未来に向けて
鴻池運輸は、「2030年ビジョン」の非財務目標としてCO₂削減を掲げ、3年間での28%削減を達成するための「中期経営計画」を策定しています。今後も、業務効率化や労働環境の改善を通じて持続可能な社会の実現に寄与していく所存です。この受賞は、2023年の「物流 DX・標準化表彰」での受賞に続くもので、さらなる成長と発展を目指す鴻池運輸の挑戦は続きます。