国際藻類学会 Global Algae Summit 2025 の開催概要
2025年8月27日、マレーシアプトラ大学で「国際藻類学会 Global Algae Summit 2025(GAS 2025)」が開催されました。本学会は、ユーグレナ社、ユーグレナマレーシア、リバネスマレーシア、マレーシアプトラ大学の協力のもと、藻類に関心を持つ研究者や企業関係者、政策立案者が集まり、藻類の活用に関する最新の研究や技術を共有する場となります。
学会の目的
「国際藻類学会」は、大学や企業、政府機関が連携して藻類の研究を促進し、ネットワークを広げることを目的としています。2023年には第1回が開催され、2024年に続く第2回が「東南アジアにおける藻類の力を解き放つ」というテーマで行われました。今年のGAS 2025では「藻類の実践的活用 ― グリーンバイオテクノロジーによる産業変革 ―」をテーマにしました。
参加者と講演者
今年のサミットには、マレーシア、日本、イギリス、ナイジェリア、インド、台湾、シンガポール、フィリピン、ベトナム、インドネシアの10か国から223名が参加しました。筑波大学マレーシア校の鈴木石根教授は、キーノートスピーカーとして登壇し、藻類研究の最前線と未来展望について講演しました。鈴木教授は特に持続可能な資源循環型社会に向けた藻類の利用に焦点を当てています。
特別講演では、グラスゴー大学のIan Watson博士が「バイオリファイナリーのスケールアップ:大規模展開における課題と解決策」について紹介しました。彼は藻類関連の科学・技術において国際的に評価されている専門家であり、最新の技術動向や政策について貴重な知見を提供しました。
スペシャルセッションと議論
また、マレーシアプトラ大学の藻類研究グループ「Albic」と「AtoZ Carbon Cycle Platform」によるスペシャルセッションでは、藻類を核としたカーボンサイクルの革新的な研究や社会実装の事例が発表され、持続可能な藻類産業の未来像が議論されました。これにより、学術界と企業、政府が協力して進める藻類産業の可能性が広がることが期待されています。
今後の展開
ユーグレナ社は今後もこれらの会議を継続し、微細藻類に関する研究と開発を進めることを目指しています。さらに、地域の研究機関や企業との連携を強化し、持続可能な社会の実現に貢献していくとのことです。
ユーグレナ取組みについて
ユーグレナマレーシアは2022年に設立され、マレーシアにおける微細藻類の研究と開発を推進しています。日本のユーグレナ社は2005年に微細藻類の食用屋外大量培養技術を確立し、持続可能な社会に寄与する製品や技術を展開してきました。国際的なネットワークを活用し、藻類の可能性を最大限に引き出す取り組みが続けられています。