脱炭素活動を促進するJ-クレジット制度の新たな取り組みが始動
近年、環境意識の高まりとともに脱炭素社会の実現が喫緊の課題となっています。そうした中で、クレアトゥラ株式会社は、株式会社カインズと共同で「水田メタン削減プロジェクト」を立ち上げ、その一環として新たな取り組みがスタートしました。これは、カインズが運営する会津若松店で、脱炭素に貢献したお米を販売するというプロジェクトです。
プロジェクトの詳細
このプロジェクトの背景には、J-クレジット制度に基づく中干し期間の延長があります。この方法論を利用して、生産者は従来よりも7日以上中干し期間を延ばすことで、田んぼから発生するメタンを抑制し、温室効果ガスを減少させることを目指します。具体的には、生産者はこの新たな手法を用いて育てたお米を「中干延長米」として販売し、その売上の一部は生産者の収益向上に寄与する仕組みです。
同プロジェクトでは、2025年1月24日から実証実験が始まっており、会津若松市のカインズで生産者との連携が進行中です。これによって、地域のお客様に新鮮で安全なお米を提供し、さらに脱炭素化の動きにも協力するという二重の効果が期待されています。
参加する生産者と販売商品
初回の取り扱い商品には、[藤川農産]が生産したコシヒカリ5㎏や[T.Farming]が提供するコシヒカリ2㎏などがあります。これらの商品は、すべて脱炭素活動に寄与したお米として特別に扱われることになります。地域の生産者が育てたお米を消費者に届けることで、地産地消の流れを促進し、地域経済へも貢献できます。
地域への波及効果
この取り組みは、地域コミュニティ全体に利益をもたらすことを目的としており、生産者と小売業者が連携することで新たな市場の創出が期待されています。また、脱炭素という環境の側面に寄与しながら、地域の農産物の流通を促進することも計画されています。
福島県会津若松市での実験的な販売が成功すれば、今後は他の地域へも拡大する可能性があります。クレアトゥラとカインズは、積極的に地域参加者を募り、地域技術や産物の価値を高めていく方針です。
会社のビジョン
クレアトゥラは、「かけがえのない自然を次世代へ」という哲学のもと、カーボンクレジットの開発やコンサルティングを通じて脱炭素社会の実現を目指しています。同社の取り組みは、温暖化対策や生物多様性の保護など幅広い分野に貢献することを想定しています。
カインズは、全国に242店舗を展開するホームセンターチェーンで、地域のニーズに応える商品やサービスを提供しています。「くみまちマルシェ」など地域振興のための構想も実施しており、地域社会の活性化を支援しています。
このプロジェクトを通じて、持続可能な社会の実現に向けた一歩を踏み出すことができればと思います。