ハナマルキの「熟成こうじパウダー」が科学的に証明された辛味と旨味の持続効果
味噌や醸造製品の名手、ハナマルキ株式会社が開発した「熟成こうじパウダー」は、その革新的な製法と特許技術によって新たな調味料として注目を集めています。この度、お茶の水女子大学との共同研究を通じて、本製品に含まれる辛味増強成分と旨味持続成分の正体が明らかになりました。論文は、2026年7月17日付けで国際的に評価される学術誌『Food Science and Technology Research』に掲載され、科学的な裏付けを得ることができました。
研究の背景
「熟成こうじパウダー」は2022年に業務用商品として発売されたもので、塩こうじの研究成果をもとに開発されました。これまでの研究で、人の感覚的評価では、料理に加えることでコクや辛味、旨味、それに冷涼感を高めることが確認されてきましたが、その具体的なメカニズムは長らく不明でした。これを解明するため、産官学の連携による共同研究が進められました。
重要な知見
今回の研究によって得られた成果は以下の三点です。
1.
味覚増強物質の特定
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて分析を行った結果、「熟成こうじパウダー」には二つの味覚増強物質、DDMP(2,3-ジヒドロ-3,5-ジヒドロキシ-6-メチル-(4H)-ピラン-4-オン)と5-HMF(5-ヒドロキシメチルフルフラール)が含まれていることが特定されました。
2.
官能評価による効果の実証
訓練されたパネルによるテストを実施し、特定された物質の効果を検証しました。結果、わさびペーストにDDMPを加えると辛味が有意に増強され、また、コンソメスープに5-HMFを加えることで旨味の余韻が持続することが確認されました。
3.
独自製法と生成メカニズム
麹の製造段階で、米のデンプンやタンパク質がアミノ酸やグルコースに分解され、それからメイラード反応が進行し、味覚増強物質が生成される過程が解明されました。このことから「熟成こうじパウダー」が持つ独特の風味や辛味の強化は、たったの独自の製法が生み出した成果であることが証明されています。
今後の展望
今回の調査結果は、「熟成こうじパウダー」が持つ辛味の増強効果や旨味の持続性が、科学的に証明されたことを意味し、次世代の食材や減塩・低脂肪メニューの開発においても大きな可能性を秘めていることを示唆しています。この研究は、ただ味わいを高めるだけでなく、他の食材の風味を引き立てる「味覚増強物質」としての機能を持つことから、健康で豊かな食生活の実現に寄与するでしょう。
論文の詳細
- - 雑誌名: 『Food Science and Technology Research』 32 (4), 411–417, 2026
- - 論文タイトル: Identification of two major Maillard reaction intermediates, 2,3-dihydro-3,5-dihydroxy-6-methyl-(4H)-pyran-4-one and 5-hydroxymethylfurfural, as taste enhancers in heated shio-koji seasoning
- - 著者: Yuho TAKAHASHI, Nobuki SHIRAI, Eisaku YAMAMOTO, Kyoko NODA
- - DOI: 10.3136/fstr.FSTR-D-26-00040
まとめ
「熟成こうじパウダー」は、伝統的な発酵食品の新たな可能性を開く一歩となるでしょう。ハナマルキは今後も、共同研究による知見を基に、新しいカテゴリーの調味料の開発に取り組み、健康性と風味を兼ね備えた製品を提供し続けることを目指しています。