20年の時を経て、複合災害への備えを再確認
2004年10月23日、強震に見舞われた新潟県中越地域は、3,175棟もの住居が全壊し、甚大な被害を受けました。この災害の特徴は、地震そのものだけでなく、土砂崩れや液状化現象といった複数の自然災害が同時に発生したことです。さらにその冬には19年ぶりの豪雪が襲い、復興の途上にあった地域はさらなる試練を抱えることになりました。
複合災害の脅威とその増大
複合災害とは、一つの自然災害が別の災害を引き起こして、被害を一層拡大させる現象です。最近では、地球温暖化や都市化により、複合災害のリスクがますます高まっています。例えば、地震によって建物が倒壊し、その下敷きになった人が火災で命を落とすケースなどがあります。そのため、私たちは今後さらに予測不可能な被害に備える必要性が迫られています。
ソニー損保はこの20年の節目に、気象予報士で防災士の岡本正さんの監修のもと、「来たるべき複合災害に備える10のポイント」を発表しました。このポイントを理解し、日常生活に活かすことで個人や地域の安全性を向上させることが求められます。
複合災害に備える10のポイント
岡本さんによる10のポイントは以下の通りです。
1.
耐震化と家具固定を行い、避難経路を確保する。
2.
災害発生時には命を守る行動を心がける。
3.
気象庁の「キキクル」をチェックすることで、危険度を把握する。
4.
ハザードマップを確認し、地域の危険箇所を把握しておく。
5.
マイ・タイムラインを策定し、早めの避難を計画する。
6.
家族との連絡手段を決めておく。
7.
7日分の備蓄を目指すことが重要。
8.
仮住まいの選択肢を考える。
9.
地震による保険を見直すことで、補償範囲を確認する。
10.
再建支援制度を理解し、必要な情報を収集する。
この10のポイントを実行することで、個々の命を守るだけでなく、地域全体の防災力向上にも寄与することができます。特に今後、発生が予測される南海トラフ地震や日本海溝地震などの巨大地震には、絶え間ない準備が必要です。
過去の教訓を今に活かす
中越地震当時の教訓は、時が経っても色あせることはありません。この20年を振り返り、私たちがどのように地域を守るかを再評価する機会にしましょう。自然災害のリスクが増加する中、個人と地域が協力し、高めあうことでより安全な社会を構築することが可能です。あなた自身や家族の命を守るため、一つずつ準備していきましょう。これまでの経験が未来の災害対策に役立つのです。
岡本正さんは、気象及び法律の専門家として各地で防災教育や講演を行っています。彼の指導のもと、私たち一人ひとりができる行動を見直し、地域を守る意識を高めることが今の時代において不可欠です。