2021年度QSアジア大学ランキング発表!東京大学の苦戦と新たな展望
2021年度QSアジア大学ランキングが発表
2021年11月25日、ロンドンからのニュースでQS Quacquarelli Symonds社が最新のアジア大学ランキングを発表しました。このランキングは、アジアにある650の大学を徹底的に比較し、評価した結果です。今年は調査対象の大学が前回比18%増加し、QSの歴史の中で最大のスケールとなりました。
日本の大学のパフォーマンス
アジア地域での評価においては、日本の大学が105校ランクインしており、昨年よりも16校増えたことは喜ばしいニュースです。東京大学は日本で最高の大学としてその地位を保っているものの、過去最低の15位に落ち込んでしまいました。これは教育の質や研究のパフォーマンスが減少傾向にあることを示唆しています。これに対し、シンガポール国立大学は4年連続でアジア1位を獲得し、清華大学は2位に昇格しました。
ランキングのハイライト
2021年版QSアジア大学ランキングにおける日本の105校の成績を見てみると、9校が昨年よりも順位を上げ、一方で63校が順位を下げています。新たにランク入りした大学は16校あり、順位を維持している大学は15校でした。特に、アジアの上位50校の中に日本からは11校が名を連ね、他国を上回っていますが、その中で順位が上昇した大学は見当たりません。これは、競争が激化する中での日本の大学の厳しい現状を示しています。
東京大学の評価
東京大学の評判は高く、特にAcademic Reputation(学術的な評判)とEmployer Reputation(雇用者からの評判)の指標では満点を記録しました。また、Faculty/Student Ratio(学生一人当たりの教員比率)も98.42点と高評価ですが、国際的な研究ネットワークへの参加度を示す指標ではやや厳しい評価が下されています。さらに、79校の日本の大学でCitations per Paper(論文1本あたりの被引用数)のスコアが下がっており、研究の質に関しての懸念も生じています。これらの指標を含めた評価が、他のアジアの大学と比較して弱さを浮き彫りにしているのです。
競争にさらされる日本の大学
このような状況に対し、QSのリサーチ責任者ベン・ソーター氏は、日本の大学が地域のリーダーであっても、具体的な進歩が見られず、地域競争の中で後退する例が多いと警鐘を鳴らしています。特に、雇用者からの評価が向上しても、学界での評価は厳しく、他国の大学の台頭が著しいことが指摘されています。これは研究の質に関する指標が下がった79校に反映された結果でもあり、今後の対策が急務とされています。
まとめ
日本の大学ランキングの上位には、東京大学、京都大学、東京工業大学が名を連ねていますが、いずれも難しい状況に立たされています。これからの高等教育の戦略を見直し、国際的に競争力を持つ大学作りが求められています。2021年度のQSアジア大学ランキングは、日本の高等教育が今後どのように進展していくのか、その道筋を示す興味深いデータを提供しています。
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