最近発表された書籍『実は危ない!ニッポンの“寒すぎる”住まい』は、私たちの住環境がどれほど健康に影響を与えるかを示す重要な資料です。本書では、慶応義塾大学の伊香賀俊治教授が監修し、住まいと住まい方のジェロントロジー研究会が企画したものです。全136ページにわたり、住宅の断熱改修や健康リスクに関する様々な知見がまとめられています。
冬の寒さが健康に与える影響は深刻で、特に冬季に室温が10度下がると、血圧が10mmHgも上昇する恐れがあることが確認されています。反対に、暖かい居住空間が保たれると、脳年齢を若く保つことができるという研究結果も出ています。このような理由から、国土交通省は寒い住まいによる健康障害を“生活環境病”と呼び、警鐘を鳴らしています。
本書では、特に冬季の健康維持に必要な基準として「冬季室温18度以上」がWHOによって推奨されています。日本の住環境はこの基準を満たしていないことが多く、危険な状況にあることが示されています。
さらに、住まいの温度環境をチェックするための簡単なリストも提供されています。以下の項目に該当することが多い場合、寒さが健康に影響を与えている可能性があるので注意が必要です:
- - 寝室や居間、食堂などで冷暖房が効かないと感じることがある
- - 冬にトイレや廊下が寒いと感じることがある
- - 室内に温度計を設置していない
これらの問題を解決するためには、断熱リフォームが効果的です。本書では、幸齢住宅という快適な住まいの条件や、健康的な暮らしのために必要なリフォームの実践モデルを紹介しています。特に第2章では、快適な住環境を実現するための要素を詳しく解説しており、住まいを見直すためのヒントが得られます。
構成は以下のようになっています:
- - はじめに
- - 巻頭言と鼎談
- - 第1章:幸齢住宅の概念
- - 第2章:幸せな老後を育む「家」の条件
- - 第3章:「暮らし」の条件
- - 第4章:お金に関する話
- - 第5章:リフォームの実践モデル
特に第5章では、ライフスタイルに応じた具体的なリフォーム例や、公的な資金補助制度についても詳しく説明されています。これにより、自分自身と家族の健康を守るための具体的なアクションを知ることができます。
この書籍は、住居の改善だけでなく、コミュニケーションツールとしても活用でき、顧客に向けた価値のある情報が詰まっています。
『幸齢住宅』の重要性を再認識し、改修の必要性を感じる方々にぜひ手に取っていただきたい一冊です。これを契機に、住環境を見直し、快適で健康的な生活を実現しましょう。