ラクビル株式会社が資金調達でビル管理業界のDXを加速
ラクビル株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:大内健太郎)は、事業用不動産の対テナント業務を効率化するプラットフォーム「ラクビルTeX」の開発を進めるため、1.7億円の資金調達を実施したと発表しました。今回の調達は、アニマルスピリッツ1号投資事業有限責任組合からの約1.5億円の第三者割当増資に加え、日本政策金融公庫や山梨中央銀行からの2,000万円の融資を含んでいます。
この資金は、ラクビルTeXの開発体制の強化に活用されます。特に、ビル管理業務の効率化を実現する省人化機能の開発や、ビル価値を向上させる新機能の実装に注力する方針です。近年、多くの大手ビルマネジメント会社やプロパティマネジメント会社でラクビルTeXの導入が進んでおり、それに伴うさらなる機能強化が求められる状況に応じて、開発体制を一新する必要がありました。
資金調達の背景
ラクビルの代表取締役である大内健太郎氏は、初期フェーズのベンチャー企業として、これまで数名の少人数体制で全てのソフトウェアを開発してきたと述べています。しかし、業界全体で進行中の生産性向上や効率化の観点から、専門的な技術者の採用を進めざるを得ない状況です。これを契機に新たな開発チームが組織され、テクノロジーの力を借りたビル管理業務の省人化や価値向上を目指します。
アニマルスピリッツ合同会社の代表パートナー、朝倉祐介氏は「不動産業界の労働力不足が見逃せない中、業務効率化と高付加価値サービスの実現が課題だ」と語りました。ラクビルは、その創業メンバーが豊富な不動産業界の経験をもとに、革新的なテクノロジーを用いて新しい業務モデルを生み出しています。これにより、業界全体の生産性向上を牽引する役割を果たすことが期待されています。
新しいプロダクト「ラクビルTeX」
ラクビルが提供する「ラクビルTeX」は、不動産業界における業務面の透明度と効率性を向上させるためのSaaS型プラットフォームです。このツールは、オフィスビルや商業施設、物流施設などの管理者を主な対象としており、テナントとの相互関係を円滑にするための機能を多数備えています。
テナントとの間で日常的に発生する申請業務やトラブル対応、点検の日程調整などのコーディネーションを1つのプラットフォームで一元管理することが可能です。ビル運営者は、このツールを用いることでプロパティマネジメント(PM)会社や清掃スタッフなど、多様な関係者との連携を強化できます。
業務効率化への期待
ラクビルTeXは、特に深刻化するビル管理業務の人手不足問題に対処するために設計されています。業界では未だ紙文化が根強く残っているため、デジタル化の推進が急務とされています。ラクビルは、システム内でのデータ管理と利活用を促進し、運営管理の効率化を図っています。
すでに、オフィスビルや商業物件を中心に50以上の導入契約があり、さらなる機能強化を目指して市場拡大に挑む意気込みです。新たに追加する機能としては、大手ビルオーナーやAM、PM、BM会社からの要望に応える形での高付加価値機能が考えられています。
今後もラクビルは、ビル管理の革新を通じて、不動産業界の持続可能な成長につなげることを目指します。これからの展開に期待が寄せられています。