CauchyEとUnkomonがブロックチェーン基盤「Poop Chain」の開発を開始
株式会社CauchyE(シンガポール本社、代表取締役:木村優)とBAHH Limited(代表取締役:Uhi Sen)は、バイオデータ活用基盤「UNKOMON」に向けたブロックチェーン「Poop Chain」の共同開発を発表しました。これは、個人の健康情報を効率的に利用することを目的とした新たな試みです。
背景:医療におけるPoopデータの課題
個人の排出物から入手できる生体データは、健康状態の把握や医療研究において非常に重要です。しかし、利用には以下の課題があります:
1.
プライバシーとデータ規制:多くの国では、人間の排出物は生体認証データとして位置づけられ、GDPRなどの規制で保護されています。そのため、ユーザーのプライバシーを守りつつデータを広く利用できるインフラの構築が必要です。
2.
国際的なデータ取扱いの違い:各国での生体データの法解釈が異なるため、国境を越えたデータ活用には複雑な調整が求められます。
3.
データ標準化:医療機関や製薬会社が求めるデータの精度や仕様は多様であるため、これに適したプロトコルを整理する作業が必須です。
4.
ユーザー主権の確立:個人の健康データの利用権をユーザーが管理できる仕組みが必要とされています。
これらの課題を解決するため、Unkomonは専用のブロックチェーン「Poop Chain」を開発し、データ収集から分析・活用をセキュアかつ透明に行うことを目指しています。
共同研究の主な内容
このパートナーシップでは、以下の取り組みを行います:
1.
App Chainの活用:「DePIN領域におけるMVPを構築し、実証実験を実施」
2.
SPE(Solana Permissioned Environment)の実用化に向けた研究開発
3.
DePIN特化のSolana L2構築を促進するフレームワークの提案
4.
生体データ取り扱いの新しいトークン規格の研究開発
5.
バイオ領域の深堀り:日本のディープテックスタートアップや研究機関との連携支援
6.
資金調達やマーケティングへのサポート
Unkomonの特徴
BAHH社によるUNKOMONは「Poop to Earn」の概念を取り入れたプロジェクトで、ユーザーが排便を撮影してアップロードすることでトークンを獲得します。健康的な便データを提出することでユーザーは、モンスターの強化やさらなるボーナスの獲得が可能です。
収集されたデータは、大腸がんの早期発見や過敏性腸症候群の研究に活用される他、医療・食品業界に転用される可能性を秘めています。しかし、これまでユーザーからのデータ収集は困難でした。Unkomonは、インセンティブとゲーム要素を使って、ユーザーが参加する動機付けを図っています。
昨今、13,000人がウェイトリストに登録し、Xプラットフォームでは5,600人のフォロワーを獲得するなど、注目を集めています。一方で、Solanaエコシステム内では、SonicやHoneycombといった企業との提携を進め、Backpackとの協議も行っています。
CauchyEとは
CauchyEは「Sunrise」と呼ばれるデータ可用性層を開発しており、ブロックチェーン技術を活用したビジネスの構築を支援しています。特に、物理インフラを分散化したDePINの実現に向けて、最適なプラットフォームを提供しています。
まとめ
CauchyEとUnkomonとの業務提携により、ブロックチェーン技術が新たな分野でのデータ活用を促進することでしょう。排泄物データという独自のアプローチは、今後の健康管理や医療の進展に大きく寄与する可能性が期待されます。