2024年の企業倒産件数が9901件に達し過去最多を記録

株式会社帝国データバンクの調査によると、2024年の企業倒産件数が9901件に達し、前年の8497件から16.5％の増加を見せました。これは2013年以降最も高い数字であり、特に中小企業にとって厳しい環境が続いています。

1. 倒産の概要と背景

2024年の企業倒産は負債1000万円以上の法的整理を対象にしたもので、前年より1404件の増加を記録しています。負債の総額は約2兆2197億8000万円となりましたが、これは前年の2兆3769億300万円から6.6％減少しているものの、依然として大きな金額です。

特に、過去最多となった「ゼロゼロ（コロナ）融資後倒産」は734件に上り、これは4年連続での増加となっています。この背景には、中小企業が新型コロナウイルス感染症による影響を受けたことが大きく、融資による一時的な支えからの失敗が見え始めています。

2. 倒産業種別の動向

業種別では、特にサービス業が前年2099件から2547件に増加し、21.3％の成長率を示しました。この傾向は2000年以降では最多であり、続いて小売業、建設業も増加しています。製造業も908件から1145件に増え、業界全体の影響が広がっています。

あらためて見ても、販売不振が8067件と全体の81.5％を占め、主な理由として他に「経営者の病気、死亡」が316件、「設備投資の失敗」が45件と続きます。

3. 地域別の倒産状況

地域別では、関東が3442件と最も多く、近畿も2542件を記録し、それぞれ前年を上回りました。特に北陸地方では34.0％増の323件と、地震の影響もあって大きく増加したことが特徴です。

4. 飲食業界の厳しい現実

特に飲食店の倒産は894件と過去最多を更新しました。この厳しい状況は、原材料や光熱費の高騰が直接影響しています。多くの小規模事業者が人手不足に悩まされ、賃上げや経営コストの上昇が困難になっています。

5. 今後の見通し

2025年も企業倒産が緩やかに増加する見込みであり、特に物価高、人手不足、後継者難による影響が懸念されます。企業の倒産動向には引き続き注目が必要ですが、中小企業がこのような環境に柔軟に対応できるかが今後の経済に大きく影響するでしょう。早急な支援策が求められます。

このように、2024年の企業倒産は予想以上の高水準で推移しており、今後も注意深く見守る必要があります。特に、経営者の高齢化や新型コロナの余波が残る中で、企業の sustainability が試される時期に来ています。