保育士の実態調査から見える現状
最近実施された「保育士のお仕事」に関する意識調査の結果が明らかになり、現役の保育士の76.3%が辞職を考えた経験があることが分かりました。この調査は、2019年に実施され、全国の保育士97名からの回答を基にしています。導き出されたデータは、保育士という職業の厳しい現状を浮き彫りにしています。
調査概要
- - 有効回答者数: 97名
- - 調査期間: 2019年9月6日~9月9日
長く働く保育士が多い実態
保育士としての勤務年数を尋ねたところ、最も多かったのは「10年以上」の28.9%でした。これに続いて「5年〜10年未満」が19.6%、つまり多くの保育士が長期間この職業に従事していることが明らかになりました。
- - 1年未満: 16.5%
- - 1年〜3年未満: 18.6%
- - 3年〜5年未満: 16.4%
- - 5年〜10年未満: 19.6%
- - 10年以上: 28.9%
保育園内での労働現実
さらに、保育士がどのような業態で働いているかを尋ねたところ、67%が「保育園内保育士」として勤務していると回答しました。これにより、日本における保育士の多くが保育園での仕事に従事していることが分かります。
- - 保育園内保育士: 67.0%
- - 病院内保育士: 2.1%
- - 病棟保育士: 4.1%
- - 企業内保育士: 9.3%
- - その他: 17.5%
辞職を考える保育士の心理
76.3%の保育士が「辞めたいと考えたことがある」と回答した背景には、保育士という職業が抱える厳しい労働環境があります。相対的に華やかに思える保育士の職場ですが、過酷な現実が隠されています。
- - 辞めたいと思ったことがある: 76.3%
- - 辞めたいと思ったことがない: 18.5%
- - 答えたくない: 5.2%
現在も続ける理由
保育士として仕事を続ける理由について尋ねた結果、最も多かったのは「子どもが好きだから」という回答で、40.6%を占めました。しかし、その後には「生計のため」が37.8%、次いで「他にやりたいことがないから」が13.5%という結果も見受けられ、経済的な要因も無視できない状況です。
- - 子どもが好き: 40.6%
- - 生計のため:37.8%
- - 他にやりたいことがない: 13.5%
- - その他: 8.1%
保育に対する情熱
調査において、保育士の81.4%が「保育は好き」と回答していることも重要です。働く環境には多くの不満がありながらも、根本には「子どもが好き」という情熱が存在しています。
- - 保育が好き: 81.4%
- - 保育が好きではない: 18.6%
知られざる多様な働き方
ところが、保育士としての多様な働き方についての認知が不足していることも明らかになりました。病院や企業内での保育士の役割について、36.1%が「知らない」と回答しており、情報の不足が指摘されます。
- - 知っている: 63.9%
- - 知らない: 36.1%
まとめと今後の課題
保育士という職業は、多くの責任を伴いながらも、低賃金や長時間労働といった厳しい現実が待ち受けています。今回の調査からは、保育士が抱えるストレスや不満、そしてその中でも子どもに寄り添う姿勢はいかに大切かが見えてきました。
保育無償化の実施により、今後も保育士の需要は高まることが予想されますが、保育士が満足して働き続けられる環境を整備することが急務です。たとえ保育士を辞めたいと考える日があっても、その気持ちを持ち続けることこそが、子どもたちの未来を守る道へと繋がります。
メディフェアの提案
この厳しい環境において、メディフェアは認可保育所さえも充実した環境での保育士像を提案しています。多様な働き方を選べる認可保育所を通じて、保育士の理想的な環境を提供し、離職率の低下に寄与しています。職場の選択が保育士の未来を明確に築く一手になります。今回の調査結果を受けて、保育士の働き方の多様化と、環境整備の必要性が改めて問われています。