日本の壁装材文化を再発見する企画展
2025年11月29日から12月5日まで、東京・赤坂に位置する21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3にて、「壁を装う展 - Wall Covering and Beyond」が開催されます。この企画展は、株式会社サンゲツが主催となり、コンテンポラリーデザインスタジオ「we+」との共同プロジェクトとして実現しました。
サンゲツの歴史と壁張り材文化の背景
サンゲツは1849年に設立され、日本のインテリアデザインの発展に寄与してきました。創業から175年以上、同社は数万点に及ぶ壁紙を手がけ、それぞれが日本の暮らしや文化を反映する重要なアイテムとしての役割を果たしてきました。日本の壁紙は、自然環境や住宅様式の変化、海外文化との相互作用を通じて、独自の進化を遂げてきました。
本展では、これまでの歴史的なアーカイブを背景に、日本の壁装材の文化について深く掘り下げ、その技術や美意識を再解釈します。壁装材は、暮らしの中で多様な役割を果たしていますが、その本質を再発見することが本展の目的です。
展示内容の概要
1. イントロダクション
展示の最初のセクションでは、日本で壁紙が普及していった背景に焦点を当てます。素材や構造の観点から、製造工程ごとの実物展示を通じて、壁紙の特性を紹介します。
2. 素材から見た壁紙系統図
サンゲツが手がけた膨大な壁紙から得たインスピレーションの源泉は、実は非常に原始的な素材である「石」「土」「木」「紙」「織」などにあります。これらの素材をもとに壁紙を体系的に分類し、日本独自の進化の過程を可視化します。
3. 未来の壁紙
素材からのインスピレーションをもとに進化してきた壁紙の未来はどうなるのか。その可能性を探るセクションでは、新たなデザインアイデアや技術革新がどのようにして今後の壁紙に影響を与えるのかを示します。
4. 日本独自の壁紙見本帳
1960年に初版が発行された壁紙見本帳は、技術やニーズの変化に応じて多様な進化を遂げてきました。本展では、この見本帳のアーカイブを通じて、その歴史や選択肢の楽しさを体験できるエリアを設けます。
個々のアーティストとデザイナーたち
今回の企画展のディレクションは、サンゲツと「we+」のメンバーが手がけています。特に、安藤北斗や林登志也といったデザイナーが参加し、空間デザインやグラフィックデザインの視点から壁装材の新たな可能性を探求します。また、顧客の多様なニーズを反映させるために、定期的に「サンゲツデザインアワード」を開催し、イノベーティブなデザインを広く募っています。
来場情報
「壁を装う展」は入場無料です。会期は2025年11月29日(土)から12月5日(金)までで、毎日10:00から19:00まで開館しています。壁装材文化の魅力を再発見し、新たな視点で日本の壁紙に触れる貴重な機会をお見逃しなく。
まとめ
本展は、日本の壁装材文化を深く理解し、未来の方向性を探求する重要な場となります。サンゲツとwe+のコラボレーションにより、新しいクリエイティブなアイデアが生まれることを期待しています。
ぜひ会場に足を運んで、壁装材が持つ多様な魅力を体感してみてください。