ウッドデザイン賞2025
2025-11-13 16:03:50

ウッドデザイン賞2025に輝いた御坊市庁舎と防府市庁舎の魅力とは

ウッドデザイン賞2025に輝いた御坊市庁舎と防府市庁舎の魅力とは



2025年度のウッドデザイン賞において、注目の受賞を果たした2つの公共施設、御坊市庁舎と防府市庁舎。この賞は木材の利活用を通じて社会課題の解決を目指す活動を評価し、建築やデザインの分野での木の価値を再認識することを目的としています。今回の記事では、この2つの庁舎が持つ魅力とその背景にある設計コンセプトを詳しくご紹介します。

御坊市庁舎の概要と特色



所在地: 和歌山県御坊市薗350番地2
設計: 株式会社久米設計・前田建設工業株式会社
竣工年: 2023年10月
延床面積: 約8,083㎡、6階建て

御坊市庁舎は、津波から市民を守ることを第一の目的とした防災拠点として設計されています。この庁舎は中心市街地に位置し、海岸からわずか1kmの距離にあります。南海トラフ巨大地震が起きた際のハザードマップでも、その脅威が指摘されています。

そのため、建物の1階部分にはエントランスホールや倉庫、職員のサービスエリアが配置され、行政機能は2階以上にまとめられています。免震層を備えた中間免震構造も採用されており、地震時の安全性を確保。この庁舎は「ごぼう防災デッキ」を中心にしたデザインで、避難や救援活動に対応可能な空間を提供しています。また、エントランスには地元の伝説「宮古姫物語」をテーマにした優雅な空間が広がり、市民に親しまれる防災拠点としての役割を果たしています。

防府市庁舎の概要と特色



所在地: 山口県防府市寿町7-1
設計: 株式会社巽設計コンサルタント・他
竣工年: 2024年10月
延床面積: 約19,778㎡、9階建て

防府市庁舎は、地域の歴史を反映した「開かれた庁舎」をテーマに設計されています。この庁舎には、県の防府総合庁舎機能が集中し、市民生活と防災機能の連携を強化しているのが特徴です。メインエントランスは敷地中央に設計され、多様な帰属を促すデザインとなっています。

市の歴史を表現するために、勾配のある大屋根やヒダ状の外壁が使用され、耐震性と美しさを両立した仕上がりです。低層階の市民窓口がある南面には、明るい日差しを取り込む大屋根の庇が設置され、多様なコミュニティ活動が行える空間を創造しています。また、最上階には市民が利用するための多目的会議室とラウンジも完備され、生涯学習や地域交流の場としての役割も果たします。

まとめ



ウッドデザイン賞2025を受賞した御坊市庁舎と防府市庁舎は、それぞれの地域の特性を活かし、木材の利活用を重要視しつつ、機能性と美しさを兼ね備えた公共空間を提供しています。これらの庁舎は単なる行政機関にとどまらず、地域の文化や歴史を映し出し、将来の防災と共に市民の生活を支える重要な役割を担っています。これからの公共建築において、ウッドデザインの可能性はますます広がることでしょう。


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会社情報

会社名
株式会社久米設計
住所
東京都江東区潮見2-1-22
電話番号
03-5632-7811

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