編み物のカールの謎
2025-03-07 14:20:39

慶應義塾大学の研究が明かす編み物のカール現象の謎

研究が解き明かす編み物の不思議なカール現象



編み物は、私たちの日常生活の中に広く存在するものですが、その形状が自然にカールする現象については意外と知られていないことが多いです。この度、慶應義塾大学の研究チームが、編み物のカール現象のメカニズムを解明したことが発表されました。研究には、修士課程の学生や専任講師を含むチームが携わり、実験とシミュレーションを組み合わせた手法が採用されました。

編み物の基本構造とカール出現のメカニズム



編み物の基本的な構造として有名な平編みは、曲げられた糸の周期的な格子を形成しています。この構造の中では、特に端部において、3次元的なカールが自然に発生します。これまでの多くの研究は2次元的なモデルに基づいており、カール現象のメカニズムが十分に探求されることはありませんでした。これは、編み物のカール挙動が、糸に作用する力やモーメント、さらには摩擦といった複雑な要素に関連しているためであり、3次元的な解析が必要不可欠だったのです。

実験とシミュレーションによる分析



本研究では、編み機を使用して長方形の平編み構造における3次元のカール形状を系統的に生成しました。実験結果とシミュレーション結果の相関関係を示すことにより、ループ形状と力学特性がカール形状に与える影響を分析しました。その結果、カール形状は編み数比によって変わり、ループ形状が編み物の機械的特性に大きな影響を及ぼすことが明らかとなりました。

カール現象の産業応用の可能性



この研究成果は、単一のループ形状の変化が編み物全体の3次元的な自然形状をどのように制御するかについて、新たな知見を提供します。これにより、編み物を用いた複合材料やウェアラブルデバイス、アクチュエータなどの分野での応用が期待されています。特に、より複雑な3次元形状の予測やデザイン・設計技術の進展につながる可能性があるため、関連する産業にも大きな影響を与えるでしょう。

研究成果の公開



研究の成果は、2025年2月25日に英国の科学雑誌『Extreme Mechanics Letters』にオンライン掲載されており、今後の科学技術の進展につながることが期待されています。詳しい情報は、慶應義塾大学のプレスリリースにて確認できます。

慶應義塾大学のプレスリリースはこちら

この研究は、編み物という身近な存在にさえも、新たな可能性が秘められていることを示しており、今後もさらに進展が期待されます。


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