大日本印刷とiPXが手を組んで製造業界のDXを推進
2025年2月、大日本印刷株式会社(DNP)と3Dシミュレーションサービスを提供する株式会社iPX(アイピーエックス)は、製造・物流分野における資本業務提携を締結しました。この提携により、両社はデジタル技術を融合し、業界全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させることを目的としています。
提携の背景
近年、製造業界や物流業界は、少子高齢化による労働力不足という重大な課題に直面しています。これに伴い、従来の業務手法では対応しきれない現実が浮き彫りとなっており、デジタル技術を活用した新たな業務プロセスの構築が求められています。特に、業界では、リスクを最小化しながら新しい技術を導入する必要性が高まり、インターネット上の仮想空間「メタバース」を利用した「産業用メタバース」にも注目が集まっています。
DNPは、業務を最適化するための高性能な「DNPアニーリング・ソフトウェア(DAS)」を開発し、製造・物流現場における課題解決に取り組んでいます。また、XR(Extended Reality)技術を活用してマーケティングや業務効率化を進める「XRコミュニケーション®」事業も展開しています。一方、iPXは独自開発の3Dシミュレーションソフトウェアを駆使して、製造・物流業界におけるDX支援に特化したノウハウを蓄積しています。
資本業務提携での取り組み
今回の提携により、両社は以下の主要な取り組みを実施します。
1.
産業用メタバースサービスの提供
DNPとiPXは、デジタルトランスフォーメーションが遅れている製造・物流業界において、3Dシミュレーションを用いた「産業用メタバース」のサービスを通じて、省人化や自動化を推進します。具体的には、製造・物流のオペレーション最適化、現場レイアウトの見直し、マテリアルハンドリング機器の導入等を支援します。
2.
新サービスの共同開発
DNPはiPXのシミュレーションサービスを活用し、自社の製造拠点におけるDXを進めていきます。その際、DNPの運用改善ノウハウを生かした新たなサービスを共同で開発していく方針です。
今後の展望
両社は、製造工場や物流企業に対して、運用シミュレーションや業務計画の最適化を提供し、DX推進や業務の効率化・自動化に寄与していく予定です。デジタル技術の融合によって、新たな価値を生み出す取り組みが期待されています。
DNPの本社は東京都新宿区、iPXの本社は東京都品川区に位置し、それぞれの代表取締役社長は北島義斉氏と幸田高人氏です。これからの両社の活動に注意が必要です。