森八400周年記念ロゴデザインの舞台裏
2025年、加賀藩御用菓子司『森八』は、創業400周年という大きな節目を迎えます。この特別な日に向け、総合学院テクノスカレッジのデザイン科の学生たちが製作した記念ロゴが注目を集めています。学生たちは、伝統を重んじながらも未来を意識したデザインを目指し、各々のアイデアを形にしていきました。
プロジェクトの始まり
このプロジェクトがスタートしたのは2024年春。学生たちはまず『森八』の理念や歴史を学び、その後、夏には若女将の中宮千里さんが学校を訪れました。彼女との対話を通じて、学生たちは実際にロゴデザインを発表し、具体的なフィードバックを受ける貴重な経験をしました。若女将からの講評は、デザインの重要性や伝統の守り方についての深い洞察を与えてくれるものでした。
多様な提案があった中で、最終的に榊隆汰君のデザインが採用されました。このロゴは、蛇玉と龍という『森八』のシンボルを融合させ、400年の歴史と未来への希望を表現しています。榊君のアイデアは、多くの人々に愛され続ける『森八』の思想を見事に具現化しています。
デザインの意図と表現
榊君が手がけたロゴは、未来を見据えたシンボル成り得たいという強い思いから生まれたそうです。400年という長い歴史の中で培われてきた伝統的なイメージを尊重しつつも、それを新しい形で表現するという挑戦がありました。彼のデザインには、地元の人々への愛情や、永続的なつながりを大切にする姿勢が反映されています。
将来的には、このロゴが広告や手提げ袋などのあらゆる場面で使われ、400周年を祝うシンボルとして広まるとのこと。2024年11月にパリのエッフェル塔で行われた茶会のイベントでも、このロゴが早期に披露される機会が設けられたことも大きな特徴です。
教育の一環としての意義
このプロジェクトは、専門学校という環境でプロの現場を体験するという非常に貴重な機会でした。デザイン科の学生たちは、ただロゴを制作するだけでなく、和菓子文化の理解を深め、実際の事業に参加することで、業界の一員としての自覚を育む場にもなりました。
加藤淳特別講師もプロジェクトに深く関与し、学外への発信や学生たちの成長を見守っていました。彼は「このような形で学生たちの作品が国際的に評価されることは、彼らの自信につながると信じています」と語っています。
総括
総合学院テクノスカレッジでは、さまざまな専門分野の学習を通じて、学生たちが自分の可能性を広げることを目指しています。このプロジェクトは、その一環として学生たちが直面するリアルな課題を解決する力を育む素晴らしい機会となりました。
400周年を迎える『森八』と、デザイン科の学生たちが手を携えて生み出したこの新しいロゴには、未来を見つめつつも、深い伝統が息づいています。次世代のクリエイターたちがどのようにその想いを継承していくのか、ますます楽しみです。