新たな会議室予約システム「Reserve Any」
東京大学エコノミックコンサルティング(略称:UTEcon)が株式会社イトーキと協力し、慢性的な会議室不足を解消するべく新たなシステム「Reserve Any」を開発しました。このシステムは、リモートワークの普及やハイブリッド会議が一般化する中で、オフィス環境での多様なニーズに応えることを目的としています。
会議室不足の現状
近年、多くの企業がフリーアドレス制やリモートワークを取り入れた結果、実際のオフィスにおいて会議室の利用がますます非効率になってきています。特にデジタルコミュニケーションが普及する一方で、対面での会議を行うための空間が不足しているという矛盾した現実があります。コロナ禍を経て、オフィスでの音の問題や集中できるスペースの需要が高まっているため、会議室の効率的な利用がますます重要となっています。
「Reserve Any」の特長
この「Reserve Any」システムは、会議室の予約をポイント制にすることで、利用者に料金を意識させる仕組みを導入しています。これにより、組織全体としての利用の最適化を図り、特に必要な会議室を必要とするユーザーが優先的に利用できるようになります。
さらに、新たに導入された「おまかせ予約」機能では、希望条件を入力するだけで、自動的に最適な会議室を割り当てることができるため、ユーザーが手間をかけることなくスムーズに予約が行えます。一方、特定の部屋を希望するユーザーのためには「こだわり予約」機能も用意されています。このように、利用者のニーズに対応した多様な予約方法を提供することで、無駄を削減しながら効率的な運用が可能となります。
マーケットデザインの活用
この新システムは、UTEconが持つマーケットデザインの知識を最大限に活用しており、特に「リソース利用価値最大化アルゴリズム」を新たに開発することで支えられています。これにより、予約のプロセスを単純化し、会議室の利用を促進します。UTEconが提供する他のコンサルティングサービスと連携し、企業のプライシングやマーケティングに寄与することも目指しています。
企業背景
東京大学エコノミックコンサルティングは、東京大学の経済学研究科との密接な連携のもとで設立されました。経済学やマーケティング、政策評価に基づくコンサルティングサービスを提供しており、今後も実践的な政策立案に向けた証拠に基づく分析を行っていく予定です。
一方、イトーキは1940年代からの歴史を持ち、オフィス環境のデザインやコンサルティングにおいて先駆的な役割を果たしています。今回の「Reserve Any」の開発により、二社は今後の働き方の変化に柔軟に対応するオフィスづくりに貢献していくことでしょう。
今後の展望
「Reserve Any」は企業の生産性向上に寄与するだけでなく、働く環境の質を高めるための重要なステップとなります。今後、リモートワークやデジタルシフトが進む中で、オフィスの有効活用を進めることが求められるため、このシステムがどのように広がりを見せるのか注目が集まります。