年末商戦における偽配送サイトの急増
年末はクリスマスやお歳暮、福袋など、オンラインショッピングが盛んになる時期です。こうした商戦に伴い、宅配便の需要が急増します。しかし、消費者が複数の荷物の配送状況を把握するのが難しくなる中、正規の通知と偽のメッセージを区別することが困難になっています。こうした状況を受け、オランダに本社を持つNordVPNは、宅配関連のサイバー攻撃についての最新調査結果を発表しました。
宅配詐欺の現状
NordVPNが提供する「脅威対策Pro」によると、2025年8月から10月の間に、配送業者を装った悪質なウェブサイトの数が、前月比86%も増加しました。この期間において、特にDHLを模倣する偽サイトが206%増えており、詐欺の手口が急速に広がっています。意識調査の結果、回答者の38%が配送関連の詐欺被害を経験しており、その多くがSMSを通じて行われていることがわかりました。アメリカ連邦取引委員会(FTC)のデータによれば、メッセージ詐欺の被害は2024年には4億7,000万ドルに達し、2020年の5倍以上に膨れ上がっています。
日本におけるフィッシング詐欺の実態
この問題は日本でも深刻です。「お荷物が届きますが不在のために持ち帰りました」といった内容の不在通知を装い、偽サイトに誘導するフィッシング詐欺が報告されています。主要な物流会社では、自社を装った不審なSMSやメールについて公式に注意喚起を行っており、これは非常に重要な取り組みです。特に最近のデータによると、2025年の10月には、配送系フィッシング詐欺が全体の約10%を占めており、昨年末の水準をすでに上回っています。
不審なメッセージに気を付けるべき理由
昨今では、生成AIの悪用により、不審なSMSの文面が個々に異なり、従来の特徴を手がかりに真偽を見分けるのが難しくなっています。このような状況を考えると、年末セールなどで配送関連の通知が増える時期には、詐欺被害が広がる可能性が非常に高いと言えるでしょう。
NordVPNが推奨する対策
NordVPNの最高技術責任者(CTO)、マリユス・ブリエディス氏は、配送詐欺から身を守るための4つのポイントを提案しています。
1.
追跡リンクはクリックしない: メッセージ内のリンクに信頼性はありません。公式サイトやアプリに自分で追跡番号を入力することが推奨されます。
2.
「緊急」のメッセージは疑う: 「即対応が必要」とか「すぐに支払いが必要」といった言葉は、詐欺のサインです。正規業者はそんなことを求めてきません。
3.
送信者の詳細を確認する: 詐欺師は送信者の情報を偽装する技術(スプーフィング)を使用するため、細部までしっかり確認しましょう。
4.
再配達手数料や個人情報要求に注意: 不審なメッセージには反応せず、必ず配送業者の公式サイトで確認を行いましょう。
セキュリティ意識の重要性
ブリエディス氏は「年末商戦に伴って、スミッシングやなりすましによる詐欺が急増しています。基本的なセキュリティ対策を講じることが、日常的な安全を確保する上で非常に重要です」と強調しています。特に、強固なパスワード、二要素認証の導入、VPNを用いた通信の保護は効果的です。
NordVPNとその機能について
NordVPNは、世界中で何百万ものユーザーを持つ先進的なVPNサービスです。82,00台以上のサーバーを世界127カ国165都市で稼働させ、個人情報を保護するさまざまな機能を提供しています。その中でも「脅威対策Pro」機能は、悪質なサイトのブロックやマルウェアのスキャンを可能にし、オンラインプライバシーを強化します。さらに、旅行者向けのグローバルeSIMサービス「Saily」も展開しています。
腹立たしいサイバー詐欺から私たちを守るため、今年の冬も十分に注意を払いましょう。