JALと北海道大学、定期便航空機で赤潮モニタリング開始!世界初の取り組みで水産業を守る
2022年に連携協定を締結したJALと北海道大学が、新たな協業として画期的な取り組みをスタートさせました。2025年夏より、HACの定期便航空機に機外カメラを搭載し、赤潮のモニタリングを開始するのです。この取り組みは、世界初となる試みで、水産業の活性化と持続可能な社会の実現に大きく貢献することが期待されています。
赤潮の脅威と早期検知の重要性
赤潮は、植物プランクトンが異常増殖し海水が赤褐色になる現象です。魚介類が窒息死するなど、水産業に深刻な被害をもたらします。特に北海道では、近年赤潮の発生が深刻化し、2021年には97億円以上の被害が出たほどです。
赤潮による被害を最小限に抑えるためには、早期の検知が不可欠です。しかし、広範囲かつ高頻度の観測が必要となるため、従来の方法では限界がありました。そこで、JALと北海道大学は、定期便航空機を活用したモニタリングシステムの開発に着手しました。
定期便航空機が赤潮モニタリングに最適な理由
定期便航空機は、同じ飛行経路を頻繁に運航するため、広範囲かつ高頻度の観測に最適です。また、JALは北海道の空を広くカバーしているため、赤潮発生の早期発見に大きく貢献すると期待されています。
具体的な取り組み
今回の取り組みでは、HACのATR42-600型機に、観測用のマルチスペクトルカメラが搭載されます。このカメラは、複数の波長帯の画像を撮影することが可能で、赤潮の分布をより正確に把握することができます。
撮影された画像は、北海道大学に転送され、笠井亮秀教授が開発した赤潮検出手法を用いて解析されます。この手法は、植物プランクトンの蛍光特性の違いを利用して赤潮を検知するもので、高い精度が期待されています。
将来への展望
JALと北海道大学は、今回の取り組みを通して、赤潮モニタリングの精度向上と水産業への情報提供体制の強化を目指します。さらに、将来的には、森林や海洋の環境モニタリングにも活用できる可能性を検討しています。
まとめ
JALと北海道大学による世界初の定期便航空機を活用した赤潮モニタリングは、水産業の未来を守るための画期的な取り組みです。このプロジェクトの成功によって、赤潮による被害の軽減と、持続可能な社会の実現に大きく貢献することが期待されます。