AIを活用した箱根DMOとTripXの新しい旅行体験のモデル実証

AIによる旅行体験向上の取り組み

株式会社トリップエックス（TripX）と箱根DMO（一般財団法人箱根町観光協会）が新たに展開する観光DXによる地域活性化の取り組みが話題を呼んでいます。観光庁の「観光DX推進による地域活性化モデル実証事業」に採択されたことを受け、生成AIを活用したインバウンド向け飲食・体験予約システムの実証が開始されました。これにより、急増するインバウンド観光客に対して、より快適な旅行体験を提供することを目的としています。

博客内観光の現状

近年、箱根エリアへのインバウンド観光客が急増しています。しかし、観光客の宿泊スタイルには変化があり、多くの旅行者が宿泊と食事を分けて予約する「泊食分離」が進行しています。これは、インバウンド観光客の70%が素泊まりや一泊朝食プランを選んでいることからも明らかです。この背景には、飲食店やアクティビティの予約が難しく、多くの旅行者が夕食をコンビニに頼るケースが目立つという課題があります。

課題に対する具体的な対策

このような課題を受けて、TripXと箱根DMOは以下の4つの具体的な対策を講じることにしています。

1. スムーズな予約導線の構築
宿泊予約後に飲食店やアクティビティ予約へのリンクを盛り込んだメールを送信し、旅行者が簡単に予約を進められる環境を整えます。

2. 多言語対応AIによるレコメンド
英語や中国語、韓国語での翻訳機能を持つAIが、宿泊施設と観光客に適した飲食店やアクティビティを推薦します。

3. AIエージェントによる代理予約機能
日本語が不得意な旅行者のために、AIエージェントが代理で予約を行い、スムーズなコミュニケーションを可能にします。

4. 地域還元のためのデータ活用
得られたデータを基にマーケティング戦略を立案し、地域全体の観光産業の発展につなげます。

本事業の未来に向けて

今後は、外部パートナーと共に箱根の観光課題に取り組み、サービスのリリースを2023年11月に予定。この実証実験を通じてユーザー数1800件/月を目指し、協力宿泊施設を20施設に拡大することを目標としています。また、得た成功を基に他地域への展開も計画中です。

プロジェクトの背景

問題解決に向け、申し立てた代表者からは、AIの進化が旅行体験を大きく変える期待が寄せられています。トリップエックスのCEO西村氏は、AIを利用したシームレスな予約システムの整備が旅行者の新たな体験を創出すると述べ、箱根の成功を全国へと波及させる意向を示しています。また箱根DMOの専務理事佐藤氏も、この施策が外国人観光客の満足度向上に寄与することを期待しています。